[おかしくなった友人]
前頁

我ながら長ぇー
これで終わるから勘弁な

その日はもう解散することになった
あの廃屋で写真をとってから、いや廃屋にいくさなか霧が出てきた時からひどく重い空気が僕らにまとわりついていたように思う
Mは幸いかすり傷ですんだ
翌日僕とTとNはMの家へむかっていた
道すがらTが言いにくそうに言った
「俺、塩と御守りもってきてる」
「なんで?」
「昨日な、M飛び出しただろ。あん時俺押し退けながら、聞いてる、って言ってたから」
「聞いてる?」
「たぶんあいつずっとそう呟いてた」
Nの方を見た。Nは首を傾げる

とりあえずMの無事を確認してそれでこの不可解な気分を晴らそうと、皆そう思ったはずだ
だけど思惑は外れた。Mの様子がおかし過ぎる
Mおかんに説教されながらも(田舎のおかんは他人の子にも容赦なく怒る。うちのおかんもだ)Mに面会
Mじゃなかった
Mなんだけど、どうみてもMなんだけどMじゃない
雰囲気が明らかに違った。無言のMに僕らも無言
Mのおかんだけが「あんたら車は玩具じゃないのよ」と話の続きを延々してた
さらに異様な雰囲気になりながらMとの面会を終了。Tの家へうつった

あのデジカメの写真を見てみる
「だめだ。これ写ってるよ」
「うわ、本当だ。この隙間に指っぽいの」
TとNが言う。僕も見た。ふたりが言う指なんてみえない
MとMの背後にうっすら隙間が空いた襖があるのみだ
「うわ!!」
「何!!?」
僕は気付いて叫んだ。TとNがキレ気味にこっちをみる
デジカメの画面。件の隙間を指差して言った
「これ、指じゃない。誰かが横向きに覗き込んでる」
(:-D)←こんな感じ。わかるかな。顔だけが見えてる
ギャーー!!!言った本人の僕もTもNも同時に叫んだ
デジカメ放りだしてカードに塩を塗りこんで投げた
ちなみにMは無事に今も地元にいる
今度こそおわり!サンキュー!


次の話

Part209
top