[綺麗なお姉さん]
>>「サラリーマン」 
亀々 
        
「未来の人」、私も会ったことあります。近所に在った空き地、今ではマンション建ってるけど。 
溶接網フェンスに有刺鉄線の完全防備で、子供心に「ここに入れた奴は勇者」って話になって。 
私は土建屋の娘だったから、こーゆーのの「抜け方」知ってた筈なんだけど、残念ながらそこは 
それも閉じられてて。建設予定だけはハッキリしてたから、まあ、ソレまでは完全に閉め切るんだろうなー 
と思ってたある日、更地に女の人が立ってた。フェンスに開けられた気配は無い。 
私「あの・・・どうやって入ったんですか」 
女の人「私ね、未来から来たの」 
私「???」 
女の人「分からなくていいわ、分かる筈もないことだから」 
私「あのー、立ち入り禁止、なんですけど」(施工はウチが主体になってやることになってた) 
女の人「大丈夫、私、ここに住むことになるの」 
私「そうなんですか! あの、私、お家建てるとこの・・・」(マンションのオーナーさんの娘さんかな、と思った) 
女の人「知ってる。○○建設のお嬢さん。ふふっ、こんなに可愛かったのね」 
私「へっ?」 
女の人「なんでもない。会いましょうね、きっとまた」 
ふと、何かに気を取られて、視線を逸らし、戻した時にはもう、女の人は消えてた。 
        
        
        
7年後、ウチが建てたマンションで飛び降り自殺があった。 
第一発見者は私。当時私は両親の離婚と、親父の間断無い再婚にグレてた。 
夜遊びの帰り道、数歩先でその音は響いた。グシャ、と。 
落ちてきた『モノ』。半分に潰れた『顔』。その、眼らしきものは何故だか私の方を向いてた。 
        
数日後、未だに落ち着きを取り戻してなかった私はニュースを見て絶叫した、らしい。 
あの日見て、それ以来「よく知らないけど、憧れの綺麗なお姉さん」だった顔が、画面の中央を 
占拠していた瞬間を、恐らく一生忘れられない、と思ったが、次の日には忘れてた。 
今日、このスレを見て、ふと思い出したので書く。