[パンツ下ろし]

俺が上京して間もないころの話なんだけど、
夜の2時〜3時を過ぎたあたり、部屋でDVD見てたら急にコーラが飲みたくなって
マンションの下にある自販機に買いに行く事にしたんだ。
俺はいつものように自販機に小銭を入れて、お目当てのダイエットコーラのボタンを押した。
そしたら20Mくらい後ろの、道の上手の方からこんな夜遅くだってのに
背広着たサラリーマンみたいなのが小走りで、道の反対側から明らかに俺目指して走ってくるんだ。
俺、田舎者だったから「背広でジョギングなんてする人も居るもんだな。自販で何か買うのかな」
とか思ってそそくさ受け取り口に落ちてきたコーラとおつりとってどこうとしたんだけど、何かおかしいんだよな。
後ろから足音もしないし、俺の隣とかにリーマンの人が立ってる気配もない。
「…?」と遠慮気味に後ろを振り向きかけたとたん、俺の下半身に衝撃が走った。
効果音にするならぶべろんっ!って感じ。
何がなんだか分からずに俺が小銭をとろうとしてる中腰の格好のまま恐る恐る自分の下半身を見ると、
履いてたズボンとパンティーが全部足首の辺りまで脱がされて俺のおティムティムが寒そうに縮こまってた。
パンツ下ろしなんて小学校のとき幾らでもやられたが、まさかこの年になってまでやられるとは思ってなかった。
人ってあんまりにも訳の分からない状況に立たされると何も出来なくなるんだな。
俺、一瞬にしてフリーズした。
俺がケツと息子を丸出しにしたまま固まっている間にも、後ろからはがちゃごちゃベルトを外すような音が聞こえて、
おまけになんだかニチャクチャしたものがおれのケツメドにぴとっと当てられた。
ここまで来たら流石に何をされるか俺も分かった。
俺は「アッー!助けてー!」と深夜の町に大絶叫した。
つもりだったんだが恐怖のあまり声が出なくて口からは「ほずゎっ!」という空気と声の中間みたいな音が漏れた。

まあ結局生きて帰れはしたんだけど、この時ばっかりは、本気で俺殺されると思った。
下らないかもしれないけど、俺の人生の中で一番洒落にならなかった話。
読んでくれてありがとう。


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