[絵と女]
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僕は夜中になって気付きました。お守りを身に付けていないことを。
ヤベッと思い、ベットの横にある机(足側)の上に置いたお守りを取ろうとした瞬間

金縛りです。

やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい

視界の端には部屋の奥側の壁が見えます。
最悪です。
押入れにしまってあるはずのあの絵が壁に掛けられています。
その絵に気付いた瞬間から、暗いにもかかわらずハッキリと絵が見えてきました

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ


絵の中の女の顔もわかります
これまでにないくらい険しい表情で僕を凝視しています

金縛りになってからどれくらい時間がたったかわかりません


じいちゃん助けて・・・





「ジイチャンハタスケテクレナイヨ〜」
女がいつの間にか僕の隣にいて耳元でつぶやきました
目は真っ赤に充血し、ピンポン玉くらい見開いて僕を覗き込むように凝視しています


恐怖が絶頂に達した時、反動で(?)金縛りが解けました

僕は腹筋の要領で状態を起こし、足側にある机の上のお守りに手を伸ばしました


ガシッと僕の肩を女が鷲づかみして紙一重でお守りに届きませんでした

肩を掴むその手は恐ろしく硬く冷たい。本当に死人のような手でした。そして肩が砕けるかと思うほどの力で放しません
女の顔が僕の側まで再び近づきました。女の髪の毛が僕の頬に触れます。ゆっくり僕のほうに顔を向け


女「ヤクソクヲマモレ オマエハツレテイクゾ」


じいちゃん・・・助けて・・・


気絶する直前だったと思います
御札がそのときに勝手に机の上からヒラヒラと落ちました。ベッドの上に


じいちゃんです。間違いありません

火事場のクソ力でしょうか、僕はもう片方の手を力いっぱい伸ばしお札を掴み取ることができました

掴んだ瞬間、女がフッと消えました



本当に死を覚悟しましたね
じいちゃんにホント感謝です。

今度必ず墓参りしてお礼を言おう



と考えたとき

耳元で叫ぶ女の声が・・・


女「クソッ、モウスコシデ!
チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!

チクショウ!

チクショウ!



フィクショーーーーン!


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Part204
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