[エリちゃんと私]

こんばんは。
ふと誰かに話したい衝動に駆られたので
今から私が若いころに経験した奇妙な話を書いていきたいと思います。
文才がない上に長くなると思いますので、
すこし読んで興味が湧かないようでしたら無視してくれて結構です。

小学校のころ、交通事故で妻を亡くした私の父親は、
祖母の家に私を預け、そのまま浮気相手と行方をくらましました。
その時に預けられた祖母の家は都会のはずれにあり、
もともとど田舎に住んでいたものですから、
新しく始まるおしゃれな学校生活に、恥ずかしながら、
胸を躍らせていたものです。
しかし、その時の私は太っていて、ボサボサの髪、
ださい服装、どこかあか抜けない雰囲気、
新しい小学校ではすぐにイジメの的になりました。
そんな私に唯一優しくしてくれたのが、近所の
マンションに住む、エリちゃんでした。
エリちゃんは優しくてかわいくて、そのうえ
頭もよく運動もできたので周りには友達がたくさん、
男子にも人気がありました。エリちゃんは私がイジメられていると、
いつもすっとんで来てくれて、「やめなよ!」とすぐに
私をかばって、いつも守ってくれました。
家が近所だったため、よく一緒に帰ったりもしました。
なぜエリちゃんがこんな私に優しくしてくれるのか、
いつも不思議に思っていました。

小学5年生になったころに、エリちゃんと私が公園で二人で
遊んでいると、小汚い中年男性の浮浪者が、ブランコで遊んでいる
私たちに近づいてきました。もう日も暮れてきていたので、
私たちは怖くなり、ブランコをこぐのをやめて降りようとしました。
すると浮浪者はエリちゃんに飛びかかり、茂みに連れて行こうとしました。
「やめて!助けて!●●ちゃん(私の名前)!!」
エリちゃんは泣き叫びながら私に助けを求めました。
私は怖くなって立ちすくみ、できるだけエリちゃんを見ないように
背を向けて一目散で走って逃げました。
後ろからはエリちゃんの声が聞こえましたが、口を塞がれたのか、
しばらくして静かになりました。
家に帰って、なにが起こったかも当時の私にはよくわからないまま、
祖母にそのことを必死で話しましたが、私の言っていることが支離滅裂
だったのか、相手にしてくれませんでした。
公園に行こうかどうか散々迷いましたが、あの浮浪者のことを考えると
また恐ろしくなって、そのまま布団をかぶってその夜は
震えながら寝付けずにいました。

続く