[業]
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曾爺ちゃんはこの話を聞いて、
その殺された男をまず供養しないとこの祟りは収まらないと思ったらしく墓の場所を訪ねた。

当代の答えは、「墓はない、埋めただけになっている」と話、
埋めた場所に次の日に行くことになった。

曾爺ちゃんは、その晩は屋敷には泊まらなかった。

明日の事を考えたらここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

次の日、当代と村の男数名に案内されてその男の埋まっている場所に出かけると、
そこは村はずれの藪の中だった。

ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、
枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている高さの余りない盛り土があり、
近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。

曾爺ちゃんはちゃんと埋葬し直して供養しなといけないと当代に言って掘り返させた。

大して掘り返さないうちに死体は現れ、
出てきた死体はやはり普通の状態ではなく無惨に切り刻まれていて、
五体ばらばらどころか肉片がいくつも出てきたらしい。

ただ、不思議な事に三年前に死んだはずの死体は腐敗せずに湿り気を帯びていたそうで、
曾爺ちゃんは「呪物になっているな」と感じたそうだ。

この辺の詳しい理屈は爺ちゃんには判らないらしいが、
多分殺された男は3名の女性を弔っていた者で、
そのことで3名の霊的な干渉良くも悪くも受けていたが、
殺された後は本人の無念も重なって、
3名の祟りの呪物化したのではないかって感じの話をしていた。

とにかく、
曾爺ちゃんは男の遺体から頭髪の一部を切り取った後は全てカメに詰めて埋め直した後に経をあげて供養した。

供養といっても成仏させた訳ではないらしいが、
成仏させるわけにもいかなかったので、その地で安息できるように色々したようだ。

頭髪の一部を切り取ったのは、
業が深すぎる件なので、関わった自分への祟りも有ると思い、
この男を自分も供養しないと危ないと思ったかららしい。

曾爺ちゃんは当代にこんな注意をして別れたそうだ。

・あなたの直系は、子々孫々まで男の命日の供養を欠かさないこと。
・3名の墓を除いた墓地にある他の墓を村の近くに移すこと。
・墓を移したら誰も3名の墓に近づかないこと。
・祟りや3名の霊が現れることがあったら男の墓に供物を捧げ助命の願をかけること。

曾爺ちゃんは村にはあまり長居したくなかったそうで、
旅費位にしかならない報酬を貰った後は、
来たときと同じように地元の議員さんやら有力者に挨拶をすましてから一人で家に帰った。

そして、家族に男の髪が入った箱をみせてこの話をしたそうだ。

もし自分が祟りで倒れた場合に、この髪の供養を続けて貰わなければならないから。

この件で曾爺ちゃんが坊主を辞めなくてはならなかった理由は、
曾爺ちゃんがやった方法は呪い返しに近い方法であって、
それがお偉いさんにしれた時に世話になった上司?の立場をかなり悪くしてしまったからだそうだ。

何か歴史物ではお偉い坊さんが権力者に頼まれて呪ったりする話が有ったりするが、
下端の坊主が何かすると厳しいのかな?

まぁ大体こんな感じの話。文章が稚拙ですまない。

うちの家系には祟りのようなのは無いっぽいです。
髪の毛は結局話に出たカメに入れて埋めたらしい。
話に書いた当代がその男の人の墓を盛り土じゃなくて墓石やら置いて綺麗に作り直した時に、
当代の家系が供養をちゃんとやってるから、
それなら呪物化した物をあまり家に置くのは良くないって事で曾爺ちゃんが戻したらしい。
犬神とかの話からすると呪物を祀ってると地獄行きらしいですからね


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