[三角関係]

学生の頃からの友人の、実体験を書こうと思う。
文才がないためかなり長文になった、興味のない人はスルーしてやってほしい。

その友人(A子)は巫女?家系出身で霊感があるらしい。
A子の祖母が昨今最もそれが強かった人らしく、祖母の死に目は体の中に封印
していたナントカ(ヘビ?)を出すのが大変だったとか、祟りで親戚が狂ったとか、
そういう話も度々聞く機会があったが、私はかなり半信半疑だった。
これは、そんなA子の話のなかで、最もリアルで信憑性があると感じた話だ。

A子がmixiで、コミュニティを通しある男性(B男)と出会った。
話が合ったのか、二人は程なくマイミクになった。
コミュのイベントを通してオフの付き合いもでき、A子はB男のことが異性として
気になるという感じになってきていた。
B男は、A子の気持ちに気づいているのかいないのか、二人で遊びに行くことは
してもそれ以上のことは飄々とかわしていたようだ。
A子はそれを感じ取り、イマイチもう一歩踏み出せないでいた。

そのころ、同じコミュの別の女性(C子)がA子とB男の新たなマイミクとなった。
A子はマイミク承認後マイミク限定で今まで読めなかった日記の内容を読んで、
C子が変わっている人であることを知った。
意味不明で暗い自己愛たっぷり自殺念慮ポエムを書いたり、突然リスカ写真
を載せるような感じ。
ちょうどこのとき私は、霊的なものとは全く関係ない話の流れで、A子に携帯版の
mixiでC子のリスカ写真やらポエムなどを見せて貰ったことがある。
自分が見る以上、彼女はメンヘラで、いわゆるボーダーであり、他人の気を
引きたいということが透けて分かる文章を書き続けるタイプだった。
私は彼女に距離を置くべきことを伝えたが、その時点でA子はさほど危機感を
覚えていなかったように見えた。
直接の知り合いではなかったのもあったのだろう。

最初は三人とも、他のコミュメンバーも交えて仲良くやっていたが、
そのうちC子はB男のことが好きになったようだ。
私は、幾つかのエピソードを聞いているうち、B男がふらふらと色んな女にいい顔を
してはモテる自分に浸るタイプだったからだと自分は感じた。
B男は強引かつ頻繁に飲みだのイベントだのに誘われる、しかしB男は性格柄
断らないのでC子は調子に乗る。

次第に、B男は自分が断らないせいだというのに、C子のことをウザがり始めた。
A子はその愚痴をきいて「自分を利用すればいい」と言った。
「C子に誘われたら、私と約束があるからっていって断って」ということである。
遠まわしに、A子とB男がデキてることをアピる作戦だ。

実際、仲の良さ的にはA子とB男に一日の長があった。
年齢的にも、A子とB男は三十代、C子は大学生なのでより話も合った。
そのことをC子も自覚しているだろうし説得力があると考え二人はそれを実行した。

冷静に考えると、誰ともデートするような男であるB男に、A子はよくそんなことを
してあげるものだ。
しかし恋は盲目で、A子には「このことを切っ掛けにもう一歩踏み出せるかも」
という下心もあったらしい。

そういったことを続けるうち、分かりやすい話、C子の恋心はA子への嫉妬心へと
とってかわることとなった。
C子のひねくれたB男への純愛パワーは、常人には考え付かないナナメ上の方向から、
しかし真っ直ぐにA子へ向かっていったのだ。

マイミク限定の日記には、A子への恨み節の連続。
「ある女のせいで私は今日も手首を切った」だの、「あの女に私の運命の人が
たぶらかされている」だの。
ある日は、「あの女死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…(略)」で
画面がいっぱいになっていた。
しかも、A子からの足跡がついたら速攻日記を消す。
A子に見せ付けたいがため書いているのがバレバレだ。
当然のように、A子の携帯には「おまえさえ いなければ…」というような
狂気を帯びたメールが着信しだし、同じような内容でmixiのメッセージが
届いたりもし始めた。

A子はボーダーというものにあまり関わったことがなかったのでかなり
ぞっとしたらしい。
そのうち、A子は日記でB男との前世からの仲(笑)などをアピり始める。
「前世で結ばれていた私たち二人がある女のせいで(ry」
このあたりで自分もまた改めて相談を持ちかけられ、実際にA子の家のPCで
問題の日記やmixiのメッセージを見た。
典型的な厨ニ病併発型だと思った。たちが悪い…
でも自分ができるアドバイスなんて高が知れている。
ヘタに拒否して相手を刺激するより、ムシして迷惑メールフォルダ行き
にしてしまうことを薦めたりした。

B男の携帯へも着信やメールが増えまくり、恐ろしくなって着信拒否。
結果B男の会社にも電話がかかってくるようになった。
会社に女性の個人名で個人宛ての電話なんてかかってくるものだから、
同僚の視線はさぞかし痛いだろう。B男は半ばノイローゼになった。

続く