[笑い声]

記憶が曖昧なところも有ると思いますが、誤字脱字と並んでご容赦下さい。

その時は年上の従兄弟が長年付き合っていた恋人と結婚することが決まり、その結婚式に出席するために旅行したときの話です。
結婚式は普通に終わり、親戚一同との改めての食事会も終わって、その日予約を入れたホテルに行きました。
先に連絡は入れてありましたが、改めて午後10時を過ぎる遅いチェックインを済まそうとすると、フロントの人に「●●(自分の名前)様。××旅行社のホテルパックで2名様ですね?」と聞かれました。

あれ?と思い、自分は一人しか泊まらないし、予約もそのようにした事をフロントに伝えました。
フロントは「一人部屋は満室なので、そのまま泊まってもらって宜しいですか?追加料金等は一切有りませんので。」と言うことなので、そのまま2人部屋に泊まることにしました。
部屋に入ってみると和室で布団が2人分敷かれています。フロントでは係の者が後で余分な布団を片付けに行くと言われたので待っていると、作業服を着た女性の従業員がテキパキと片方の布団を片付けて戻っていきました。
8畳間にポツンと1つ布団が残り、何か寂しい感じになりましたが、流石に疲れも有ったので、サッサと風呂に入って寝ることにしました。

眠って少し夢を見ていたような気がしますが、突然「あははははははははは!」と大声で笑っている声が顔の直ぐ前から聞こえ、びっくりして笑い声から反対の方向に飛び退くように起きました。突然の事で心臓もバクバク鳴っています。
しかし、リアルに聞こえた笑い声が聞こえないどころか、部屋の中はシーンと静まりかえっていて、部屋の中には壁を背に片膝ついて構えている自分しか居ません。
まったく訳がわからず、部屋の明かりを付けて暫く部屋をキョロキョロ見渡したり、何が起こったのか頭の中で整理したりしていましたが、少し落ち着いてきてタバコに火を付けている頃には「夢かな?」と思ったりして、眠れないのでTVを見ながら朝を迎えました。

次の日、ホテルをチェックアウトした後で叔父(結婚した従兄弟の父)の家に挨拶に行きました。
叔父夫婦は昨日の疲れは無いみたいで、母は元気か?とか、大学はどうか?とか色々話題を振ってきます。自分も久しぶりに叔父夫婦と話すので、昨日あまり話せなかった分だけ、より長話になりました。
そして、話題が尽きてきたとき、ホテルで体験した、あの笑い声のことを話したところ、叔父が急に真剣な顔になり、
「●●の母さんはここの生まれだから、笑い声が聞こえたかもしれないね。知っていた方が良いか悪いか判らないけど、笑い声が聞こえたら知っている人は話さないといけないしきたりだから聞いておいてね。」
と言って話をしました。

叔父の話を要約すると、

○この家の裏のヤマの方に神社は縁結びの神様がいて、子供を亡くした人が祀られている。
○特に気に入った土地の人を縁結びするときは、将来生まれる子供を一人連れて行く。代わりに、結ばれた夫婦と後から生まれた子供を守ってくれる。
○人を気に入ったときは、その人が一人でいても2人連れに見えたりする。料理が二人分でたりとかが有るらしい。
○子供を連れて行くときは神様が一晩そのものと一緒にいる。神様が帰るときに笑い声が聞こえる。

って、事でした。
半信半疑でしたが、最後に叔父はこう言いました。
「△△(結婚した従兄弟の名前)も笑い声が聞こえたから、ずっと結婚するのを躊躇っていたけど、みんなで説得して結婚させたんだよ。」
自分は「子供を連れて行かれるんじゃないの?」って思わず聞いたんですが、
叔父「もう、それは終わってるから、今度の子は大丈夫だよ。」
と言っていました。

現在、自分は気に入った彼女がいますが、やっぱりこの事は言い辛いです。でも、いずれ言おうと思っています


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Part196-2
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