[夏の夜の思い出]

こないだ、熱帯夜で寝れなくて、
ぼーっと「過去の夏の夜の思い出」を何となく思い出してたら、
夜、真っ暗な庭で、ヒスった親父が日本刀振り回してて、
偶に刃が物干し台のコンクリや庭石に当たって、
バッと花火みたいに火花が散るのを、
やっぱり真っ暗な室内から腹這いになって眺めてたのを思い出した。
刃物も親父も怖かったんだが、火花が綺麗で逃げずに見てたなー
懐かしいような気もするが、なんか思い出してしまった事自体、複雑な気持ちだ。

親父はとっくの昔に彼岸へと旅立っとります。
両親は自分が高校の頃、揉めに揉めた末、
やっとの事で離婚、当然ながら自分は母方へ。

あの頃一番怖かったのは、お袋が親父より先に死ぬ事。
年齢的に逆なんだが、万が一にもその場合自分の保護者は再び親父、
お袋も自分も、その事を一番恐れていた。

それなりの年数経過後、年齢的には早過ぎめに親父は彼岸へ。
人伝に知らせを受けて、お袋も自分も腰が抜けた。
安堵で
もうこれで何をされるかと戦々恐々とせずにすむ、とね。


未成年である自分の保護者としての立場を利用して、
勝手に子供(自分)名義の資産を如何こうされたりとかで、+の物が0にされたり、
色々な事の保障やら担保やらにされ、0どころか−にされる危険は無くなったが、
人間性がアレな人物だったので、祟られる可能性も覚悟していた。
が、化けてでる所か、夢にさえ出てこず、命日に気配さえ無い。

続く