[集落の人々]

私の住んでるところは、田舎です。バスも一日に三本しかありません。そんな村で私は介護の仕事をしています。
週2で訪問介護の仕事で山奥にあるお宅に伺うのですが、そのお宅が少しおかしいのです。
集落からさらに離れた場所にあるお宅なのですが、いつ伺っても嫌な生臭さと、異常ともいえる数の猫・・・
それだけなら、まだよいのですがその猫のほとんどが身体の一部がないのです。
そのお宅のおばあさんは、足が不自由ですがしっかりした方で、「餌もやってないのに寄って困っとる」とおっしゃるのです。

臭いについて聞いてみたいのですが、失礼にあたってはいけないと思い、いつも聞けませんでした。

先月の雨の日でした

その日は、入浴の介助を終えて帰ろうと思い玄関を開けた途端、いつも以上に強烈な生臭ささが鼻をつきました。
きた時はここまで酷くなかったはずと思いながら、車に乗り込みました。

山道を下るにつれて、生臭ささは薄れていきましたが、その日は耳鳴りが酷く帰るとすぐに寝てしまいました。

二日後にその家にまた仕事で伺ったのですが、なぜかいつも、沢山いた猫が見当たらず、またあの臭いもしませんでした。

その日は何事もなかったのですが、今思えばその日が境目だったのだと思います。
次の日から、集落の人の私にたいする仕事が終わった後の挨拶が変わりました。
今までは、遅くまで大変ね。とか、帰り気をつけてね。等だったのですが、皆一様にお疲れ様です。に変わりました。

ずいぶん他人行儀な挨拶に内心?と思いつつ一週間前前までは普通の日常を過ごしてきました。

こここからは私の予想というか妄想なのですが、集落の人達はお疲れ様ではなく「お憑かれ様」といってるのではないのか?
臭いの元は見えないナニカではないのか?
おばあさんの家が集落から離れているのはナニカのせいでずっと昔から村八分にされてきたのでは?
おそらくそのナニカは歩いて、私の家に近づいている。

しかし、分からない事もあります
なぜ、私だけが臭うのか?猫達はどこにいったのか?そして
何故、私なのか?

近々、引越しかお祓いをしようと考えています。

続く