[同居人]
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眼が覚めた。
何時だったかはわからない。
昨日とは違い、真っ暗だがぼんやりは見える。
ただ眼が覚めただけだと思いまた寝ようとしたが…
ここであることに気付き冷や汗が垂れる。
それは、俺の真横に誰かが立っていた。
親ではない。というか人ではないとわかるまでに時間はかからなかった。
どうやら何かを探している様な感じだ。
腕の動きが尋常ではなかった。腕だけ早送りと一時停止を繰り返しているような…
眼が見えないのだろうか、中腰で手を動かしている。
怖いながらも見てみるが、髪が肩ぐらいの女の人だ。
すると、そいつの動きが止まった。
どうしたのかと思ったのも束の間、奴は俺に気が付いたのだ。
手探りの手がそのまま俺の首へ。
近づくにつれ気が付いた。奴は顔がないのだ。
手が首につくかつかないかの時に、そこでまたしても意識が無くなった。

次の日俺は母に話した。母は冷静だった。

そして母は知り合いの霊視占いをしている人の所へ行ったらしい。
すると、素晴らしい答が返ってきた。

家の間取りだけ伝えたら、2階の廊下の突き当たりに居るよ。と。
しかも普段はそこにいるが、たまにウロウロしているらしい。

なぜいるのかも聞いてみたら、原因はわからないが、かなり前からいるらしい。しかもこの家(土地)を気に入っていると。
そして、両親の仲が悪くなったのもこいつのせいで、家族を崩壊させ家から追い出そうとしているらしいということも。

徐霊はできるかと聞くと、できないらしい。その占いの人は霊視しかできない。まぁ占いだからね。
どうしたら良いかと聞くと。
まず、母に憑けて遠い所まで行きそこに置いて帰ってくるといったものだ。
簡単そうだが、これには条件があり、帰っている間余計な事を考えたり寄り道したりしては駄目みたい。
しかもその霊はわざと誘惑するようなイベントを用意するみたいだ。
失敗すれば戻ってくる。

母は、それは無理だと言い他に方法はないか聞いた。
あるにはあるが徐霊ではないらしい。
どういったものかと言うと、霊の方からでてもらうらしい。
毎日2階の奥に塩とお茶を用意する。後は窓を全開ににして出るのをひたすら待つだけ。
母はこっちのやり方に決めた。


それから4年。
母は毎日続けている…


次の話

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