[壕の中で]

自分の場合、ゆとり世代だけあって
修学旅行は沖縄まで行ったんだけど、
まぁ案の定戦争に関連する場所を周るのが中心になった。

ひめゆりの塔やら、名前は忘れたけど自殺者の多かった岬やら。
その二つでは特に何もなかったんだけど、
防空壕として使われていた鍾乳洞に入ったときは明らかに違ってた。
めちゃくちゃ背筋だけが寒く感じて、
入りたくないって先生に何度も訴えたのに元気そう+男という理由で連れてかれた。
懐中電灯の明かりをみんな一斉に消した時、
何かお経みたいな低い男の声が聞こえてきて泣きたくなった。

何かを見ることはなく、ようやく出口が見えてきたとき急に、
「助けてくれ!!」って野太い男の大声が聞こえて、思わずパニックに陥りかけた。
自分だけじゃなく、他に4人ほどその声が聞こえてた。

霊感のない人やそういうの経験がない人に言いたいけど、
そっちのほうが幸せだよ。


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