[ボロ屋のドア]

近くに古いボロボロの家があって、普段はその前を通ることすら嫌だったんだが
もう大人だし、その家のそばにジュースの自販機があることもあって、夜中にその家の前を通ってしまった。
すると俺がその家の前に差し掛かるのと同時に ギィーッ・・・っと嫌な音がして玄関のドアが俺を招くように開いた。
怖くてドアを直視することはできなかったが、視界の片隅にはドアの先に真っ暗な闇が広がっているのが見えた。
必死に見てみぬふりをして何事も無かったように通り過ぎた。 
というのが3ヶ月前くらいの話。 
今日の昼間、まだ明るいから大丈夫だと思いその家の前を通った。
玄関は引き戸でドアなんてなかった。
あれはどこへ続くドアだったんだろう・・・。こわかったお。


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