[一緒に行けない]

これは私が姉に聞いた話で一番怖かった&唯一私も見た話です。すごく長いです。
最近の話じゃなくてスイマセン。最近の話もリクエスト頂いたので、まとめますね。

今度は姉の初めての経験、といっても金縛りの初体験の話なんですけど。

姉は上の話ふたつみたいな体験をしていても、中学校にあがるまで金縛りの体験は一切なかったそうです。
でも何故か中学にあがってから、頻繁に金縛りに遭うようになってしまったらしいのです。
当時、私と姉は二段ベッドで一緒に寝てて、姉が下段、私が上段のベッドで眠っていました。
私達が寝起きしていた部屋は姉の勉強部屋で、ドアとベランダへ出る窓が一直線上にあるような部屋でした。
ベッドはちょうど、寝っ転がると頭がベランダ側、足がドア側に向くような感じで並べられてました。

その日はお盆過ぎの夏の夜だったんですけど、急に姉が私のベッドに昇ってきて、「一緒に寝てもいい?」と。
暑いからやだよーと言ったらひっぱたかれて、私は怒ったんですけど姉は何も言わずに潜り込んできました。
暑いなーうざいなーと思いつつ我慢して就寝、翌朝姉に理由を聞いたら以下のような話をされました。

ちょっと前から、姉は三日と空けずに金縛りに遭うようになったそうです。最初は怖かったけど、徐々に慣れて平気に。
怖い話の本を昔読み漁っていただけあって、「絶対に目を開けない」と「心の中で念仏」を実践。
それでいつもはすぐに金縛りが解けて、事なきを得ていました。でも、その日はいつもと大分違っていたそうです。

その日の夜中、姉はいつものように金縛りにあったそうです(いつものようにってのも変な言い方なんですけど)
その日はたまたまうつ伏せの姿勢で寝てて、顔は壁の方を向いたまま金縛りに。
ただ、姉は不運にもその日は目を開けたまま金縛りに遭ってしまって、内心gkbrしてたそうです。
すると部屋のドアが開くような気配がして、何かが部屋に入ってきたそうです。
姉はそのまま心の中で念仏を唱え続けたらしいのですが、何故かその日はいなくならず。
そのまま、裸足の足が床を歩くような音がペタペタとゆっくり近付いてきたそうです。

その足音がドアからベランダへ向かっているのを察した姉は、内心「止まるな、いってしまえ」と祈ったそうです。
でもお約束な展開で、その足音は姉の隣でペタ…と止まってしまったそうで。
そうしてるうちに、何かが自分の首筋に顔を寄せてるような気配を感じ始めたそうです(息がかかる感じがした、というのが姉談)
そして、その何者かは姉の髪の毛をつかんで引っ張り始めたそうです。
わしづかみにしてグイグイ、って感じじゃなくて、ちょっとつまんで引っ張るという感じだったそうで。
それまで姉はすっかり焦ってパニックになってたらしいですけど、そこで我に返り必死で念仏を唱えたそうです。
すると、その何者かは姉の髪を引っ張るのをやめて、ペタペタ…という足音と一緒に立ち去りました。
姉はそこでやっと金縛りが解けて一息、でも仰向けになると何か見そうで怖くて、結局うつ伏せのまま目をつぶったそうです。

でも、本当に怖いのはここからで。姉は次の瞬間再び金縛りになりました。
しかも今度はうつ伏せの姉の腰の辺りに、明らかに誰かがまたがっている様な重みを感じたそうです。
姉はその時、何故かこの「誰か」が女の人だと思ったそうです。理由は分からないけど、直感だと言ってました。
その誰かは姉の上にまたがったまま、ドスンドスンと腰を上げては落とすを繰り返したそうです。
姉はその時点で再び念仏を唱えたそうですが、やはり効かず。
そのうち、その何者かは両手で姉の頭を掴んで髪を撫で回す、というかぐちゃぐちゃに弄り始めたそうです。
姉の話では、「頭の皮をはがそうとしてるのかと思うくらい凄い力だった」そうです。
姉は怖くて怖くて、必死に念仏を唱えで「一緒にいけない、一緒に行けない」と念じたそうです。
するといきなりフッと体が軽くなったので、姉は「助かった」と感じ、金縛りも解けたそうです。

続く