[怖いドライバー]

去年の秋頃、夜勤を終えた俺は家に向かってマターリと車を走らせていた。
久し振りに残業も無く、翌日からは2連休という事もあってそこそこのテンション。
時間が時間なので俺以外に走ってる車はほとんど無し。
また俺の帰宅ルートは深夜の場合、信号の切り替わりが上手いこと青で繋がる。
基本的にほぼノンストップで会社から家に着けるわけだ。
それがテンションの上昇に拍車をかける。
意味不明な独り言をつぶやいて一人納得し、
そんな自分を客観的に見てまた一人ツッコむ。
そんな状態のまま最後の交差点に差し掛かった。
当然既にここも青なのだが、俺の進行方向からは見通しは決して良くはない。
相変わらず一人芝居中の俺は
「深夜といえどもこういう場所は注意して進入しなきゃねえw」
などとほざきながら30kmに減速。
まさにその時だった。
無灯火の乗用車が猛スピードで俺の目の前を横切っていったのは。
「……は?えっと…え?」
俺は何が起きたのか理解できないまま30kmで交差点を通過していた。
どこのバカだか知らんが早急に免許取消になってくれ。

あとこれは昨日体験した事
特に関連はないのだが、今回の話を思い出すきっかけになったので追記

やはり夜勤からの帰りだったのだが、この日は疲れから
いつもよりゆったり運転した為に途中の信号に引っ掛かってしまった。
まあ疲れてんだから逆にいいか、とぼんやり青を待っていると…
どこからかヒップホップが聞こえてくる。
雑音が皆無に等しい早朝に突然のヒップホップ。
驚いてルームミラーに目をやると、いつの間にか後続車。
ああ、こいつか…と納得した瞬間、いきなりドアが開き車から降りる男2人…!
「な!?なん…?」
予想外の事態に困惑しつつも、発進準備と共に2人の動向を観察。

……………………踊っている。
すっげー笑顔で踊っている。
10秒程踊った後、何事も無かったかのように車に戻る2人。
唖然とする俺をよそに、車線変更してどこかへ走り去っていった…。

ここでよく「文章だとあまり怖さが伝えられない」
というレスを見るが本当だな。
2人が車から降りてきた瞬間の恐怖がどうしても上手く伝えられん…。


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