[ノイズ]
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今度は夢のようにノイズなんて入らないよなー。布団に横たわりながら安堵の息を付く。
そして、ガオガイガーの曲は後奏へ。何も起こらずに終わった・・・・・・・・・・かのように思えた。
―――――ジッ
また夢のようにノイズが入る。
・・・・・この後の展開は分かっていた。予想じゃなくて、確信。
その刹那の後、自分の置かれた最悪の状況に気付いた。
「ちょwwwww身体動かんwwwww」
夢では身体が動いたのに、今度は身体が動かない。
重いと言う感覚ではなかった。本当に何かに押さえつけられてるように動かなかった。
そして無常にもまた「星達のかがやき」が流れ始めた。
女のけたたましい笑い声と共に。
―――――アハハハハハハハハハハッッッ!!!!!!!!!!
夢よりもすさまじいボリュームでの女の声。
俺の恐怖の臨界点は既に突破していた。
「あー。このまま俺、連れてかれるんかなー。」
もう死ぬと思って、本当に何もかも諦めていた。
しかし、死への恐怖は逆に冷静さに作用してくれた。
その冷静さは俺にあることを思い出させてくれたのだった。
・・・・・そういや、枕の下にナイフあったんじゃね?
思い立ったらすぐに行動に移すことにした。藁にもすがる思いで片手だけに意識を集中させて動かそうとした。
ゆっくりではあるが確実に、片手は動いた。そしてそれは確実に枕の下のモノを取り出そうとしていた。
奮闘すること体感時間10分。生ぬるい金属の感覚が伝わってきた。
―――――このとき自分は勝利を確信した。
どうせ死ぬなら、と振り出しナイフの刃を出した。
そ し て 、 そ れ を 自 分 の も う 片 方 の 手 に 突 き 立 て た !
「ぎゃあああああああああああ!!!!!!」
凄まじい勢いで、俺は布団から起き上がった。
火照る身体。激しい動悸を鳴らす心臓。冷たい空気。真っ暗な自分の部屋。
そこには極めて現実味を帯びた光景が広がっていた。
今度は夢じゃないよなぁ・・・・・、頬を抓って確かめてみた。
皮膚が引っ張られる感覚と、軽い鈍痛が頬に集まる。
―――――今度はどうやら夢ではなかったらしかった。
助かったー、と思いつつも、あることに気付く。
ナイフで刺した方の腕に痛みが全然なかったのだ。
腕全体を触ってみても痛みはおろか血が出た様子さえなかった。
それと同時に拍子抜け。
ああ本当に夢だったんだな、と思って今度は本当の安堵の息を吐いた。
時計の時刻は、牛の刻をそろそろ抜けようとしていた深夜だった。
まぁ多少の脚色は入ってるけど流れ的には実際の夢とほぼ同じ。
女の笑い声が怖かった。妙に現実味を帯びた夢ってのも怖かった。
でもその中で今回、何が一際怖かったって言うと危機に面した際の自分の行動。
ナイフ突き立てるなんて普通しねぇだろwwwwww中二病メンヘラの俺乙wwwwwww\(^o^)/
あと、ちょっと気になったことだけど、夢に出てきた女の顔が確か目だけ無かったような気がする。
しかもその幽霊はげてたしwwwww
わざわざ出てきてくだすった夢の中の幽霊さんには悪いが、これだけは書いてる内に思い返してワロタwwwww
じゃ、終了。そしてお休み。