[借りパク

なるほど確かに暴れる俺はどこかに行こうとしてるみたいだということで、坊さんくるまで親父ががっちりホールド。
そしたら親父まで気分悪くなってきた。寒くなってきた、まだ秋なのにガチガチ震えた、身体重くなった、目が回ってきた、とか。
「精神的なものかもしれないが、あの時はホントに気分が悪くて、お前離して楽になりたかった。でも離さなかった。」何と言う親父愛。
そうこうしてたら玄関から坊さんの声が聞こえてきた、『塩くれ!わしにかけれ!はやく!』って。家に入るのに塩かけるのか?普通逆じゃね?
ようやく俺の様子見た坊さんは、気分悪くて死にそうな親父からドライブの話を聞いた後、しばらく家の中うろうろして『剣無いか?剣なかったか!?』って。
鉄屑が剣だったんだろうな。多分。おふくろは「そんなものない」って告げると、いよいよ坊さん青くなって『やばい、(あんたらの)一家やばいぞ!どうしよう!』と。おふくろ散々脅されたらしい。
んでお祓いの儀式。俺は縛られ親父は寝込み、その傍でお経読む坊さん。キツネだ山神だいってたおじいさんおばあさんも一緒に。
もう雰囲気が恐ろしかったらしい。まさかわが家でこんな事になるなんてって。

結局、お祓いは成功っぽかった。親父はすぐに良くなったが、俺は数日かけて祓ったんだって。
お寺に通い詰め。事が済むまで、ドライブの日から実に3週間!
なんか、俺が山で「借りて」きたものを返さなくて、それが原因で「貸主」が俺を祟って、家まで取り返しにきたのを坊さんが無理矢理追い払ったっていってたそうだ。
祓ったっていうのかこれ。

貸主が何かはわからないし、ポイ捨てしてしまった鉄屑?かりてきた剣?は見つからなかった。
っていうか探さなかったって。また祟られると恐いからと。もしかしたら20年近く経った今でも庭にあるかも。そんなもんほっとくなよ。

ここまでが家族から聞いた俺の洒落怖話。
ものを借りパクして貸主追い返して未だ借り物を返さずのうのうと暮らす俺って、ちょっとアレかも。悪者かも。
今度、その坊さんに話聞いてみようかなって思ってる。なんかわかったらまた書きます。


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