[ハウリング]
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で、誰かが何を思ったのか、スロー再生してみたんだよ、そのシーンを。
音声さんやカメラマンの言い争いが、スロー特有のあの低い声で再現される。
で、少しずつスピードを落していってそれが聞こえたとき、見ていた人たちは背筋が凍るかと思ったそうだ。
ハウリングだと思っていたのは、実はすごく速く、何かが喋っているみたいなんだ。
で、だんだんスピードを落すと…現場では音声さんだけが聞こえていたらしいその言葉の内容がわかってくる。
「…コノヘヤニハイルナコノヘヤニハイルナ…コノヘヤニハイルナ…」
そう、スローに落すと、はっきりこう言ってるのが全員に聞き取れた。
「この部屋に入るな」
って。
もう、それだけでチェックしていた人たちは怖くてテープを止めたかったんだけど、誰も動けずに…カメラマンが襖を開けるシーンになった。
確かにそこでハウリング音の質が大幅に変わっていたようだ。
言葉の内容がこう変わっていたから。
「殺してやる…殺してやる…」