[峠道]

多分アルファウェブで読んだ話なんだけど、どこにあったかわからない。
適当に再現してみます。


私の田舎には走り屋が集まる峠道があり、私もよく行っていました。
ある夏の終わり、週末の夜に友達と一緒にその峠に出かけようということになり
ました。
行ってみると週末なのにぜんぜん人がいませんでした。いつもならたくさんい
る走り屋もギャラリーもいなくて、峠道はいつにも増して暗い感じでした。

何でだろうと思いながらどんどん走って、折り返し地点になる駐車場まで来てし
まいました。
駐車場もいつもは沢山車が来てて、ギャラリーも集まってたりするんですが、そ
の日は一台も来てませんでした。

がらんとした駐車場で、自動販売機の明かりだけが煌々としていました。
でももうしばらく待ったら人が集まってくるかもしれないと思って、ジュースを
飲みながら友達とだべっていました。

ふと気がつくと、駐車場の反対側に、5,6人の男女のグループがいました。
「やっぱり誰か来てるじゃないか」と思いました。そっちの方は暗いから良くは
見えなかったんですが。

そのまましばらくだべってたんですが、友達が、
「帰ろう、帰ろう」
と言い出しました。
「別にいいじゃないか、もうしばらく待とう」
と言ったのですが、友達があまりに真剣な様子なので、納得いかないまま帰るこ
とにしました。駐車場を出ながら、なぜそんなに帰りたがるのか聞いたら、

「向こうにいた連中見たか?ずっと俺たちのこと睨みつけてたぞ」

って言うんです。
正直、それがなんなの?って感じでした。

駐車場を下って最初のコーナー集中することにしました。すると、コーナー脇の所に
ギャラリーが数人来てるのが見えました。ちょっと彼らの視線を意識しながらコーナ
ーを抜けました。
続く