[フランケンじじい]

小学生の頃の不思議な体験を書きます
長い間胸につかえていた嫌な思い出を、思い切って吐き出したいと思います。

子供というのは残酷なもので、少しでも世の基準と外れたものを虐めたりからかったりすることがあります。
ふとった子、不潔そうな子、勉強が特にできる子、できない子、障害者、老人…

私たちは最低なことに、学校の近所で粗末な小屋に住む住む挙動の怪しげな(子供心にですが)独居老人をターゲットにしていました。
こともあろうにその老人を「フランケンじじい」などと名づけ、見かけるたびに大声でからかったり
物を投げるなどしてわざと怒らせ、スリルを味わうかのように自分たちを追いかけさせたりしていました。

そんなある日、老人が校庭の裏側を小屋と反対方向に歩いていくのを見つけた私たちは、
今のうちに「フランケンじじい」の家に忍び込んでみようと思い立ち、老人の小屋に駆けつけました。
老人の小屋は、ものすごく古い農家の納屋に戸を付けたような感じで、窓さえありません。

戸の開いてるときに何度か覗いたことがありますが、中は傘のついた裸電球が一つ、窓がない室内は
オレンジ色のぼんやりした光がゆらゆら揺らいでいました。
埃だらけの、わけのわからないガラクタ類が雑然と積まれ、(恐らく)居間として使われてるらしい
と思われる部分にも大小のガラクタ、紙くず、ごみ類が散乱していました。

果たして「靴」を脱いで生活しているのか疑問を抱くほどの不潔さ、まさに10年もほったらかしにした「納屋」のようでした。
今風に言えば、そう、時折「心霊スポット」として騒がれる「廃墟」のようなと言えば分かりやすいでしょうか…
小屋の出入り口は一箇所のみ、裏側は山がえぐれたような崖になっています。
仮に老人が帰ってきてもすぐわかります

続く