[四隅ゲーム]
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この時私は倉庫の前にいた。先にも書いたけど倉庫はヤバげな感じのが沢山いらっしゃるので、暗闇の中私はそこから離れることにした。
みんな「H松ゴルァ!」「早くつけろゴルァ!」と騒いでいた。だがしかしH松は天然さんなのでなかなかつけられない。
私が三歩程移動したとき、右側に威圧感を感じた。暗闇の中でも確かに解る背の高い影。M山かとも思ったが彼はH松と四苦八苦していた。ここにいるはずなかった。
全身を悪寒が駆け巡り私は目を逸らした。その先に、目映い銀色の筋があった。
それが何だったのか今でも解らない。直線の亀裂のような銀色が輝いていた。影に対する恐怖を押し殺すため私はそれを見つめていた。
ただでさえ暗いところが怖いのに。私は静かにパニックを起こしていた。
T子が叫んだ「みんな名前呼べ名前!」
みんな順に自分の名前を叫んだ。
「K子!」「S籐!」「T内!」「T子!」「M山!」「N村!」「H松!」「あたしぃ」「Tぃ〜子ぉ〜う!!」「M山うるせー!!」「おまえもうるせー!!」「早くつけて早く!!」
最後にK子が叫んで明かりがついた。銀色の光も消えた。
部屋を見渡していると、K子と目があった。「N村」と呼ばれ、ホワイトボードの隅まで二人で移動した。他の五人は真ん中に集まってH松をボッコボコにしていた。
K子「なんかいた」
私「私の横にいた奴?」
K子「え、嘘そんなのいたの。てかヤバいよめっちゃ増えてたよ。
あとさぁ、あたしぃって誰か言ったよね」
私「K子でしょ?」
K子「え!?違うあたしの後ろから聞こえた!」
私「え?」
みんなで明かりをつけたままさっきの位置に戻ってみた。K子の後ろには誰もいなかったし私の横にも誰もいなかった。
K子「かごめかごめの時から増えてたのかな…」
T子「ブースん中にもなんかいたよね」
私「あぁちらりん見てたね」
T子「違う黒いのが歩いてた」
K子「嘘!?いつも座ってるのに…」
私「四隅ゲームってさ」
全員「?」
私「雪山でやると、暗闇の中一人増えてるとか言うじゃん。違うんだよね。
みんな忘れちゃってるだけであれって本当は5人でやってたんだよ。だから続いてたんだよ。
本当のルールは5人で始めて、途中で誰かこっそり抜けるんだけどそれでも何故か続くっていう奴なんだけどさ。神隠しの方法らしいんだよね。暗闇だから誰が抜けたのか解らないじゃん。そんでそのまま消えちゃうらしよ。記憶も書き換えられちゃうんだって。
雪山から帰るとき、あれなんで俺達6人乗りのワゴン借りたんだっけって。なんで缶詰5人分あるのって。
ねぇ私達さ、本当に最初から7人だったっけ?」
続く