[カウントダウン]
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ある日。僕は家の中でも探検しがいのありそうだった蔵に侵入しました。
中は採光のための窓のおかげで大体の物は見えたんですが一部見えないものがあったので、懐中電灯を使っていました。
中には呉服屋だった面影か古めかしい反物や布、機織り機(多分違う)のような機械がきれいに置かれていました。
僕がそれらを眺めているとズテンッ!と下に落ちてしまいました。
「え?下!?」
僕は焦りましたが状況を確認すると床に階段があって棚の上の置物に夢中だった僕が勝手に階段を踏み違えただけでした。
「ビックリしたなぁ・・・。だけど地下もあるのかぁ」
階段は木で出来ていて乗るとミシミシと音がします。
下は暗く、いかにも幽霊とかいますよ〜っと無言で語っているようだった。
「よ・・よし行ってやる!」
怖がりな僕は怖さを紛らわす為にゲームの主人公に自分を見立てて探索しようとした。
一旦、蔵から出て自分の部屋に行きまだ整理してなかった荷物をダンボール箱から漁った。
「あった!」
エアーガン、壊れてるラジオ、ポケットライト。
今思い出すとバカバカしいが当時は本気でした。
それらを持って僕は蔵に突撃しました。
その時、もう太陽は沈みかけてて夕日になっていたのを覚えています。
胸ポケットにポケットライトをしまい、ズボンの尻の方にエアーガンを刺して僕は階段を一歩ずつ歩いていきました。
一歩一歩に長く時間をかけていたので全部降りきった時には前身に変な汗をかいてたのを覚えています。
ライトで降りてきた階段を照らすと思ったより短くて拍子抜けでした。

降りた先は一般的な公立中学の教室と同じくらいの広さの部屋でした。
壁は石で出来ているみたいでゴツゴツしていて扉らしき物は何も無かったのでどうやら部屋はここだけのようです。
地下室らしくひんやりしていてその空気は僕の恐怖心を煽り立てました。
何かないものかと僕はエアーガン震える手で構えながらライトを照らして辺りを探索していると箱のようなものを見つけました。


今も住んでいます。
何か重要文化財のワンランク下の物に入ってるらしくて取り壊して新しい家を建てることもできないみたいです。

「なんだろ・・これ?」
埃を被っていたので僕が手で払うと立派な赤い漆塗りの箱であることが分かりました。
「これ・・開けてもいいのか?」
開けたら呪われる箱とかパンドラの箱とかを連想して僕は開けるのを戸惑いました。
結局僕は開けるのをやめて蔵から脱出しました。
帰り際僕はふと箱が呼び止めているような気もしましたが無視して歩き続けました。

その日の夜、箱の事を思い出してそのことを考えていると全く眠れなくなりいてもたってもいられなくなり
「箱を開けに行こう!」
と思い体を起こそうとしたら・・・

動けない

これが金縛りって奴でしょうか全く体がびくともしません。
どうしようと僕が目の玉を動かしていると左にふと人影のようなものが見えました。
「え?え?え?!」
左をもう一度見てみると、そこには黄土色っぽい軍服にブーツ、軍帽を被った男・・・第二次世界大戦時の日本兵が立っていました、顔は見えません。
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!」
僕は腹の底から大声で叫んだ・・・つもりでしたが口がうんともすんとも動きません。
「見るな見るな見るな見るな見るな」
その男から目を逸らそうと右を見ると

右には真っ裸で凄い形相をした女が近くで俺を見下ろしていました。

続く