[女の子とおっさん]
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「やべー変な女のガキに睨まれたー!」

俺と前田にはおっさんしか見えなかったので
そんなわけはないと思いながらも先輩達4人は
凄い剣幕で走って逃げてきたので
これに懲りてもう肝試しに誘われることはないだろう。
とか、考えながら俺は前田と目を合わせて二人で
先輩とともに原付まで走っていきました。

すると急に併走している前田の方から
無邪気な女の子の笑い声がしました。
隣で走る前田も同じように聞こえたようで
お互い気味が悪いと思いましたが、気のせいだと結論付けました。
この声もやはり先輩達には聞こえていなかったようでした。

駐車場までつくと先輩達も落ち着いたようで
廃園の中で起きた出来事を話してくれました。

「廃園の周りの窓ガラスは割られていたけど、
もう治されてたんだわ。で上の窓がひとつ開いてたから
みんなで入るべってことになってみんなで入った。
携帯のライトで辺りを照らしてみたんだけど一枚の絵があったんだわ。
それをA、Bが『気味わりー』とか笑いながら言ってたら
降りた窓の前に女の子がいて無我夢中で逃げて窓突き破って出てきた。」

A先輩は「いやー死ぬかと思ったわ。」と満面の笑顔で爽やかにいいました。
俺は本当に死なないとわかんないなと思いました。

「もう疲れたから帰るべ」

との先輩の一言で疲労感満ちた顔でバイクに跨って帰路に着きました。
駐車場を出てすぐに右手の鳥肌が立つと前田が急に叫びだしました。

「B先輩あぶねー!!!」

俺は内心では、は?Bさんはバイク上手いし何言ってんだ?たかが坂道で。と思いましたが
前を見てみるとB先輩のバイクのケツにおかっぱ頭も青い服を着た女の子が座っていました。

するとB先輩はそのまま減速することも出来ず
縁石に直撃して雑木林につっこみました。

後日そのときのことを奇跡的にも右手と左足の骨折で済んだB先輩に聞いてみると
「あーあん時な。前田とお前が叫びだしてなんだと思ったから
バイク止めようとしたけどブレーキ利かないでやんの。まじ死ぬかと思ったわー」

その話を聞いてあの幽霊がなんだったのか
気になって仕方なかった俺と前田は
二人で各々で人に聞いたりネットで調べました。

結果としてわかったことはその幼稚園について
いくら調べても女の子の話は聞けませんでした。
しかし、あのおっさんはその幼稚園の死んだ園長で間違いありませんでした。

そこの廃園の卒業アルバムを中学校の教師に見せてもらいましたが
多少ふけているけどあのおっさんが載っていました。


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