[ドライブ]
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恐怖でかなり力んで震えていたためか体が硬くなっていました。
安堵感からか全身の力が一気に抜けた瞬間に握っていた数珠が手から落ちたんですが・・・
紐が切れてバラバラになって車内に散らばりました。
タバコを取り出し火を付けようとすると
シゲ兄が「ビビった??」とかなりニヤけた表情で聞いてきたんで無視してやりました。
「そんなに怒るなよ〜」とか声をかけてくるんですが反応する気力も有りません。
実家の近所のコンビにで道中撮った写真を現像すると言ってカメラを現像に出し
実家に帰ったんですが。
早朝6時前に誰も起きて無いと思い静かにドアを開けるとお袋が玄関で仁王立ちで待っていました。
「あんた達、何処寄ってきたの??」と烈火のごとく怒り砂かけババァのごとく塩を投げてきました。
うちのお袋も代々巫女をやっていた家系の人間でかなり霊感が強い人で
寝ていたら夢に祖父さんが出てきて俺らがヤバイと言うのを伝えに来たと言うのです。
それから一晩中拝んでいたと言う話でした。
居間に正座させられながら道中の一部始終を話すと散々激怒され近所の寺に連れていかれました。
6時頃でしょうか、朝のお勤めをしていた住職が俺たちを見るなり
「この悪ガキ何連れて来た!!ちょっとそこで待っとれ!!」と言うと井戸から水を汲み
俺たちにぶっかけました。
着てるもん全部脱いで白装束に着替えろと支持され言われるがまま本堂に連れ込まれました。
説明も前置きも無しに木の棒で方を殴打され火をガンガンに炊いた前でお経を唱え始めました。
お経に合わせて俺たちの体がビクンと反応しはじめひどい頭痛と嗚咽に襲われました。
そんな事が2時間近く続いたと思います。
だんだん僕たちの体の反応も無くなってくると住職に思い切り背中をブッ叩かれて除霊?は終わりました。
ぐったりした俺達のかわりお袋が一部始終を説明しはじめると
普段温厚な住職が烈火のごとく怒り初め延々と説教されました。
この住職は全国的にも有名な人らしくかなり位の高い坊さんみたいです。
イタコの様な事をして亡くなった方と話ができる力があるらしいんです。
僕らは子供の頃から近所と言う事もあり顔見知りでもありました。
40年以上無人で荒れていた寺を一人で一ヶ月以上ほとんど不眠不休で払い収め
安置したとバァさんから聞いた事があります。
住職いわくオフクロが気が付いて拝んで無かったら俺ら死んでたかも知れんとの事でした。
まぁそんなこんなでどうにか無事に一眠りしてスノータイヤを回収して帰路に着いたんですが・・・
帰りに又事件です・・・
早朝現像に出した写真を回収して見てみたんですが・・・
夜中に撮影したはずの写真が朝になってたり・・・火葬場の写真には髑髏が写り込んでたり・・・
もう本当に死ぬほど洒落にならない経験でした・・・
帰りの車中でシゲ兄が「結構面白かっただろ?」とニヤニヤしながら聞いてきたので
思いっきりぶん殴ってやりました。