[俺の影]
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突き飛ばそうとした手は空を切り俺は前のめりによろける…そして腰が抜けて地面に座り込む

もう一人の俺は消えていた…

首に残った絞められていた感覚…いつの間にか消えてた街灯が急にパチって音とともにつく

こんな時何も出来なくなるんだなって思った…

携帯が再び鳴り始める…腰が抜けてるけど這って行き電話にでる

後輩「今どこっすか?酔ってんすか?…もう変な悪戯はなしっすよ?」
俺「は?俺電話今初めて出たよ?」

後輩が言うにはさっきも電話をかけた。俺は電話に出たけど雑音と小さい声で何かを繰り返し呟いてるのが聞こえたそうだ…
そしてガチャって音がして電話は切れた…酔ってると思い友達に俺が今日どの位飲んだか確認してまた電話したらしい…

つまりこう言う事らしい…無意識に俺は電話に出た。どのボタン押しても通話になる携帯だったからたまたま繋がったんだと思う。
そして雑音と声はわからないけど携帯は落ちた衝撃で切れた。

そこまで考えて俺は思い出した…あの叫び声は誰?

あんまりゆっくり出来ないから気合い入れて立ち上がりclubへ戻る。
そしてそれからしばらくはもう一人の俺に襲われ続けるんだがこれはまたいつか機会があれば書く事にする。

clubに戻りこんな体験をした時のお約束の首絞められた後をみんなに突っ込まれた…
イベントは無事に終わり近くのファミレスで飯を食いながら今日の出来事を話す。
結局あの叫び声はなんだったのかな〜?って話してると多分そこで昔女の子が強盗か強姦かで殺されてましたよって…

渋谷の新南口付近で夜中歩いてると女の子の叫び声がするって噂は聞いてたけど…その叫び声に助けられたのかな…

謎は謎のまま…帰りにコンビニでお菓子を買い俺が襲われた路地へ
明るくなって気付いたんだけど確かに朽ち果てたお花が供えてあった…
俺はお菓子を置き手を合わせ帰る事にする。
視線は相変わらずなんだけどこの子なのかと思いありがとうって思いながら立ち去る。

時間は18時過ぎ…新南口から改札をくぐり山手線へ向かう。

動く歩道に乗り友達とかと話してたらふと後輩が言った…

後輩「でも本当は怖い体験じゃなくてエロい事してたんじゃないっすか?www」
俺「いやいやマジ死ぬかと思ったし!この首の爪痕まである痣を見ろよwww」
後輩「だってあの時一緒に戻って来た子があそこ待ってるじゃないっすか?あっこれからエロい事するんっすね?ゲハゲハッwww」

って言い動く歩道の先…突き当たりの駅内コンビニを指差した…


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