[オカルト様ゲーム]
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しかし耐えた。
何とか階段を下りて、外に出た。
しかし、何処に捨てれば良いんだよ。こんな石。
その時、思わず手が滑った。
石が落ちる。
俺はとっさに足を引いた。石の下敷きにならないようにだ。
石はアスファルトの上に落ちた。
ゴスっと鈍い音がして、石はまっぷたつに割れてしまった。
しばらく呆然としたが、
ここに置いたままでは通行人の邪魔になる。
近くの街路樹の下まで持っていく事にした。
割れてしまった一方は問題なく運んだ。
しかし、もう一方を持ち上げようと手を触れた時、
思わず手を引いた。
冷たかったからだ。
その時、その片割れの石には札が貼られていない事に気がついた。
さっき持っていった方には札が貼られていたのだ。
俺は、迷ったが、
その石を邪魔にならないように足の裏で押して端に寄せた。

その後、部屋に戻るとAは落ち着いているようだった。
H「切り口から雑菌が入ったかもしれないから、明日、速攻で医者に行けよ」
A「ああ、そうするよ」
M美「石はどうなったの○(俺の事)君」
俺はさっきの出来事を説明した。M美はしばらく考えているようだった。
M美「そっちは私が考えるよ。何かあったら連絡する」
F香「なんだか、えらいことになっちゃったね」
F香はそう言って力なく笑った。
その日はそれで解散。

後日談。
Aは翌日医者に行った。
A「ああ、たいした事ないよ。ちょっとはれちまってさ」
Aはしばらく包帯をしていたが、しばらくすると包帯も外して
何事もなかったように普通にしていた。俺は安心した。

3日後にM美から連絡があった。
俺は石のある場所(Aのアパート)まで行った。
M美とF香がいた。
俺が放り出した石には札が張ってあった。
F香「これを運ぶのよ」
俺「良いよ」
F香「じゃ、●●川までヨロシク」
俺「は?マジで」

●●川まで、そこから700mぐらい。人力でも運べるがしんどかった。
途中で、くそ〜。重いぜ〜とか言いながら運んだ。
それにF香が間の手を入れてM美が笑った。
F香「○○君。カッコイイ。力持ちじゃな〜い。惚れそう」
俺「惚れなくて良いから、手伝え」みたいなノリで。
何とか2つに割れた石を河原まで運んだ。
俺「で、どうすんのこれ」
M美「川の流れの中に並べて入れて」
俺は石を川に沈めた。
M美「もっと流れがある方が良いかな」
もっと流れがあるところまで運んで沈めた。2つを並べて。
M美「これで良いよ。水の流れは石をまるくするの」
俺「それって小学校の理科の授業であったよな」
F香「あった。あった」と2人で笑った。
M美「同じよ。形も、力も、流れにもまれてまるくなるの」
ふ〜ん。みたいに頷く俺とF香。
俺「ところで、Hはなんで来ねえの」
F香「バイトだってさ」
俺「なんだそれ」
と、俺は吐き捨てぎみに言ったが、
M美とF香と3人でいっしょにいるのは悪くなかった。

END


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