[オカルト様ゲーム]

大学の時、仲間内でオカルト様ゲームってのがはやってた。
やる事は王様ゲームと一緒で
オカルト様になった奴の命令は絶対ってことだ。
だが、オカルト様の命令は必ずオカルトっぽいもの。
それを俺を含めた友人5人でやる事になった。
俺の他はそれぞれこんな感じ
A:体育会系マッチョ。冬でも超薄着。見た目が男塾。
  この日も12月だというのにジャケットの下はTシャツで意味不明
F香:ドS女。マジのサド。ホラーを見ると襲う方を応援する。
H:典型的理系人間。理屈っぽいけど、笑いも取れる使える男。
M美:霊感があると噂の女。美人。
で、俺の計5人

あと、場を盛り上げるためのグッズをそれぞれが用意した。
A:どっから持ってきたのか良く分からん黒い石としめ縄。
  石はかなりでかくて重い。
F香:蝋燭。ムチ。白装束。額につける三角のやつ。釘。
H:ネットで見つけた心霊写真をA3にプリントアウトしたやつ3枚。
M美:お札(5枚)。
俺:公園で拾った人形。道ばたで拾った携帯電話の残骸。
 (俺が持ってきたものはどちらも今回の話に出てこない。無視してくれ)

Aの持ってきた黒い石がとにかくでかくて重い。
まずはそれが話のネタになった。
H「何だよ。この石。なんか封印されてるのか」
A「近くにこのしめ縄が落ちてたからそうかも知らねえな」
F香「とりあえず割ってみよう!!」
H「早すぎだろ」
俺「ここで割るのはもったいないだろ。ゲームのネタが減っちまう」
みたいな感じで、もう石の運命は決定した。

で、オカルト様ゲームスタート。
番号のついた割り箸をそれぞれが選んで、
「オカルト様だ〜れ」ってやります。
王様ゲームと同じです。

だらだら書いてもアレなんで、ハイライトを。
オカルト様F香の命令、
「○番が、白装束を着て三角の奴を頭につけて、ムチを振りながらコンビニに行く。
 弁当を5つ購入して、全部温めてもらう」
ターゲットはAになった。
A「こんなの余裕だって」と言って白装束を着た。
本気でめっちゃ笑った。皆でついていって、ちょっと離れた場所からAを観察。
Aは堂々とした白装束姿で着てムチを振りながら駐車場を横断。
時々失敗して自分を叩いていた。爆笑。
入り口まで来ると、Aはムチを丁寧に束ねて傘立ての横に置いた。
そこで俺たちの方を振り返って軽くガッツポーズ。大爆笑の俺たち。
Aは何事もなくコンビニに入って弁当を選んだ。
その後、弁当を買って温めてもらっている様子だった。
弁当5つだったので結構時間がかかった。
後からAに聞いたが店員はかなり動揺していたようだ。
出てくるところで、店員に向かって
「夜遅く、まことにお疲れさまです!!」
と良く通る良い声で言った。俺たちさらに大爆笑。
途中まで来たが、ムチを置いてきた事に気がついて、
慌てて走って戻った。腹を抱えて笑う俺たち。
すげ〜ぜA。ヒーローだ。

オカルト様Aの命令
「○番が、しめ縄をひきちぎる」
○番はM美だった。
M美「無理だよ。そんな」
皆「オカルト様の命令はぜった〜い」
で、M美(美人)が必死になってしめ縄を伸ばしたりねじったり
両端を手でもって、足でぐっと伸ばそうとした。
その必死の姿がかなり萌えた。
F香「なんか無理そうじゃな〜い。
 そうだ。藁なんだから、燃やせば良いよ」
そう言ってジッボを取り出し蝋燭に火をつけた。
火にしめ縄をかざそうとするM美。
H「ストップ。せっかくだから電気消そうぜ」
ナイスアシストH。この後、耽美な世界が展開する。
蝋燭のゆれる炎にM美の顔が浮かび上がる、しめ縄を炎にかざすM美。
すげ〜。めっちゃ幻想的。思わず盛り上がる俺たち。爆笑。
しかし、しめ縄は湿っているらしく火がつかない。残念。
ここで命令は終了。

続く