[廃屋の女子高生]
前頁

で、お昼頃にノートを戻しに行ってきたんですけど、
もう一度中に入る気にはなれなかったので、窓から投げ入れてきました。
これでは、結局同じことか…。
ノートは一通りめくってみましたが、やっぱり白紙でした。
ただ、中綴じの真ん中のページが何枚か抜かれていたようです。

あと、制服から何処の学校か分かりました。
調べたわけではなく偶々なんですが、
古新聞を束ねている時、折り込まれていたデパートのチラシに
市内の高校の制服が載っているのを目にしたんです。
僕が高校生の頃と制服が変わっていたので廃屋で見た時は分かりませんでしたが、
うちの町では名門といっていい、古くからある私立の進学校でした。

友達の妹がそこに行ってるので、その友達と今日会ったついでにこの話をしてきました。
高校生の間で何か呪いとかオカルトが流行っているのかねぇ、と世間話風に。
最初、私の友達は、デスノートじゃね?とか冗談めかして言ってましたが
具に廃屋の様子を伝えると、興味をそそられた様子でした。
夕方頃に、じゃこれから探索に行くべ、とか言い出しましたけど
僕はそっとしておいてやりたい気持ちになってましたんで、
変なちょっかいは止めよう、と釘を刺しておきました。
話すんじゃなかったか、と少し後悔しています。

まぁおそらく、これ以上進展は無い話だと思います。
あっても後味の悪いことにしかならなさそうだし。

この話をした友達から電話が来ました。
彼が妹に聞いてみたところ、“メリーさんの呪い”というのが
女子高生の間で口伝えで広まっているそうです。
まさかこんなに簡単に正体が分かり、しかもそれがメリーさんだったとは。

ただ、ネットで目にするメリーさんの話とは少々異なり、
メリーさんにお願いすると願いがかなう、とか憎い相手を呪うことが出来る
というようなものらしいです。
ただ、本当にメリーさん人形が存在するのかどうかまでは知らなかったらしく、
僕がそれらしい人形を見たこと伝えると吃驚していたそうです。

呪うことしか出来ないような切実な事情を想像していただけに、
メリーさんと聞いて、なんか拍子抜けした感じです。
パロディ対象だもんなぁ、あれ。


次の話

Part180menu
top