[お守りの水晶]

これは私が体験した実話です。

 私が大学生だった頃、毎日つるんで遊びまわっていた
グループの中に非常に霊感の強いYという男がいました。
みんなで飲み会をしているときなどでも「オイ、あそこ
に女の霊がいるぜ。」とか車で走っているときに
「このトンネルの先に墓地があるぜ。かなり霊がよってきてる」
などと「ネタじゃねーの!?」と思わせることを言うやつでした。
特に霊感もなく、金縛りにもあったことの無い私は、興味半分で
よくそいつに「体験談」や「今見えている霊」を聞いていました。

そんなある日のことです。
長い大学の夏休みも終わり、久しぶりに顔を合わせたYが
少し怪訝な顔をしながら私にこう聞くのです。
「N(私)お前、夏の間に水辺に行ってないか?・・・」と。
当時ブラックバス釣りにはまっていた私はキャンプをかねて
S県のB湖に何度か行っており、その事を告げると
「やっぱりな、お前持って帰ってきてるよ。溺死した女の霊。
白いワンピース着てて、長い髪が濡れてべったり張り付いてるから
多分水辺で亡くなった方だと思ったんだけどな・・・」
と私に事もなげに言うのです。驚きあわてた私は
「マジで?うそ?どうにかしろよ!」と怖さもあって、
やや切れ気味にYに言いました。Yは落ち着いた様子で
「大丈夫。そんなにきつい霊じゃないから。ただ他のを呼んだり
するとやばいからなー」と言い、私に「これ着けとけ」と水晶の
ブレスレットを渡しました。
私は素直につけ、「これで大丈夫なんだろうな?」と聞くと
「まあ、2〜3日だろうな」と答えました。

続く