[かくれんぼ]
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朝明るくなってきた頃、先生とお母さんが入ってきて私を見つけてくれました。
私はお母さんに抱かれて部屋を出て行くときに美術室の中が目に入りました。
美術室のスケッチ用の紙・黒板・机によくわからないものが描かれていたのが見えました。
人間のように見えるけど人間じゃない。
手が何本も生えていて、顔には赤いぶつぶつができていて、とても人間には見えなかったです。
私はお母さんに昨日の事を言っても、お母さんは泣いているだけで何も言ってくれませんでした。
その日からお母さんが変になっていきました。

私が部屋にいる時は、気味の悪い声をあげて笑い、私の部屋の扉を勢いよく閉めていきます。
私がご飯を食べている時は、いつも「ゲエゲエ」と気持ちの悪い声を出しながら歯を磨きます。いつもいつもです。
お母さんがお母さんじゃなくなりました。
私の味方はもう恵那ちゃんしかいませんでした。
恵那ちゃんは、「あなたは悪くないわ。お母さんが悪いのよ。」
と励ましてくれます。

私はまた引っ越す事になりました。
先生とクラスのみんながお別れ会をしてくれましたが、みんな不気味な声で笑っているだけでとても怖かったです。
引越しをする前日に恵那ちゃんが話しかけてきました。
「このまま仕返しもしないで、引越していいの?何か仕返しをしよう。」
そう言って仕返しの方法を教えてくれました。
私は由佳ちゃんとクラスのいつも不気味に笑っている二人を山の入り口に呼びました。
「ねぇ、最後に一緒に遊んでくれる?」と私は誘いました。
「いいけど、山で遊ぶの?ここは入っちゃ駄目なんだよ」由佳ちゃんが言いました。
「この山でね、かくれんぼをして最後の一人になるまで見つからなければお願いが叶うんだよ。私、鬼になるからみんな隠れてよ。」
「でも、ここ暗いし、迷ったらどうするの?」
「私、この山でよく遊んでるから道知ってるし大丈夫だよ。ね、やろうよ。」
みんな暗い山の中に入っていきました
気分が良くなったので絵を描きたくなりました。
私は探すフリをして小屋に行き絵を描きました。

不安げな動きがしても気づかぬフリをして歩いていきました。
真夜中の山で怯えてしまえばいい。
一晩中寝られずにいればいい。消えてしまえ。
私は家に帰り、いい気分で眠りにつきました。
由佳ちゃんが行方不明になりました。
お母さんは私をひどく叱りました。
私は悪くないのに。

その後は引越しはしませんでした。ずっと白い家に住んでいます。
誰かがドアを開けて入ってきました。
その人は白い服を着ていて、一枚の絵を持っていました。
その絵は、とてもカラフルな絵でした。中央に手足みたいなものが何本もあるような絵が描かれていて、その回りにぐちゃぐちゃな物が3個ありました。
白い服を着た人がしゃべりかけてきました。
「こんにちは。願い叶ったよ」と。
よく分かりませんでした。


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