[無料(ただ)の人]
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先輩がかなりあせった声で語りかけてくる。 
先輩「頼む今すぐ来てくれ、助けてくれ」 
私「どおしたんですか?」 
先輩「外の奴、郵便入れるところから手を突っ込んで鍵開けようとしているんだよ」 
先輩「ありえねえぇよ、手が変なんだよ、長いから鍵まで届きそうなんだよ」 
 あ り え ま せ ん 
まだ酔っ払ってんのかコイツ、眠いんですがね 
私「じゃあそっち行きますよ。少しまっ・・」 
先輩「まじ頼む、ほんとうにはやく頼むうううう・・・・」 
 ギ キ イ イ イ イィ イイイイイイイ 
この会話をさえぎるほどの音が玄関の開く音だとなんとなくわかる 
先輩「うわ、きたいそじょふぁjrr4r4@れdd」 
ブツッ 
 電話がきれた 
さすがに何かよろしくない事が起こっていると理解したので 
先輩の家に急ぐ。 
車で約45分ほどのところで先輩の家につく 
 三階にある部屋までエレベータを使わずに階段を駆け上がる 
部屋の前まで来るとドアが半開きになっている。 
部屋からの空気が外に流れ出ているのか、クーラーで冷やされた空気が頬に 
あたる。 
私「・・・センパーイ・・・・」 
呼んでも返事なし、部屋にあがりこみ奥の部屋に進んだ。 
どうやら部屋は豆電球の状態でほんのりオレンジ色で暗かった 
そして、部屋のべっどの上に三角形のタオルケットの山が一つ出来上がっていた 
私「先輩?」 
 ぼそぼそ・・・ぼそぼそぼそぼそぼそぼそぼそ・・・ぼそ 
 なにやらそのタオルケットをかぶったなにかが小さく喋っているらしくぼそぼそ声が聞こえる 
 「・・ェンジ、頼むからチェンジ・・・本当にチェンジしてくれええええぇ」 
私「へ?」 
タオルケットかぶった何かを軽く叩く 
先輩「ぎゃあああ、チェンジ、チェェェエエエエエエエエンジ」 
とりあえず、こわくともなんともなくなっていたので、傍にあった元氷、今水の入った桶?を 
手に取り、顔面におもいっきりぶちまけた。 
・・・・・・・ 
・ 
 落ち着いた先輩から話を聞くと、3m近いミイラにしか見えない女が侵入してきたらしく、 
何より腕があり得ないほどながかったらしい、 
 そこで怖くなった先輩はタオルケットをかぶって 
 「チェンジ」 
 と唱えつづけたらしい、 
 普通は念仏じゃね? 
 そして、何事もおきないまま私が到着したらしい。 
 一応「チェンジ」でおっぱらってやったので変わりがこられても困るので、他の友人の家に 
避難をしました。