[納屋の幽霊]
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見た感じは全体的に白っぽく、手、足は指の先方向へいくほど薄くなっていて、
透けて見えた。目・口は大きく開いていてそこには何もなく、ただ真っ黒な空間
があるだけだった
その幽霊は部屋を回り始めた。しかし、体の向きはずっとこちらのほうを向いている
俺の足元方向にいたそれは、左方向に回りそして頭側まで来た
この時点で硬直した体的に死角に回りこまれた。俺は思わず目をぎゅっと閉じて
幽霊が消えてくれることを祈った

・・・・静寂の中で、それは確実に俺の方に近づいているのが気配でわかる
そして俺の頭のところで止まったのが目を閉じていてもわかった
一呼吸間をおいて、それは叫び声とも怒鳴り声とも分からない声をあげた
ものすごい早口でなにを言っているのか解からない。
この声の感じは現実世界のものではないと感じた。というのも、どう表現して
いいか分からないが、鼓膜が振動していないのに聞こえる。頭の中に響く声という感じだ
ここで俺は力のかぎり右手を動かそうとした。そして、1cm動いたと感じた瞬間
ブオッと右手が動いたと同時に金縛りが解けた。急いで俺は体を起こして後頭部方向を見た
・・が、それはもういなかった。気配も消えていた
翌日、家族に話したが、弟以外は信用せず、寝ぼけていたんだろうでかたずけられた

それからは変な事もなく、新築の家も完成した
それからというもの、俺はできるだけ、納屋には入らないようにしていた
そして、何年もたち現在に至るわけだが、俺はある趣味をもっていて、
自作の商品を作っては、それをオークションにかけて売っていた
それには塗料を使用するので、先日親が部屋が匂うから納屋に移動せよと言ってきた
プチ喧嘩の末、結局俺は納屋へ移動した

久しぶりに入ったその部屋は、タタミは埃だらけで一部腐っていた
窓は台風養生の為か内側から板が打ち付けられている
薄暗い部屋で掃除をしていた時、なにかいや〜な気配がして自分の
心臓の鼓動が早くなったのを感じた

   まだいるじゃん!と思った俺はあわてて部屋から外にでた
・・・・で、今別のところからここに書き込みをしているが
あと1時間でまた、あの部屋にもどるつもりだ


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