[祖父の予感]

自分的には切ない話かなとも思うのですが、こちらに投稿してみます。
自分が高2の時の事です。当時、祖父母両親自分の五人家族で、祖母は70歳過ぎでも自分の小遣い稼ぎと趣味の踊りの稽古代の為に競馬場、競艇場の売店で売り子をしてて、アウトドア派な人でした。
9月のある日、祖母はいつものように早朝仕事にでました。
自分含め家族もちろん全員寝てたんですが、7時頃かな?祖父が両親と寝てる二階に上がってきたんです。(二世帯で二階両親&自分で一階に祖父母が住んでて、滅多な事ない限り祖父母が二階に来る事はありませんでした。)

真っ先に自分のとこ来るなり、
「婆さんどこいった!!??」

家族皆祖母が仕事の日な事は分かってたんで、

「仕事行ってんじゃないの?部活の試合あんだからも少し寝かしてよ!」

「違う!仕事に行ってない!何かあったんだ!頼むから近所を探しに行くからついてきてくれ!」

当時全くボケてもおらず、むしろ怒ると怖い祖父だったが流石に真剣に相手にしないでいると、何事かと起きてきた両親にも探しに行くように詰め寄ってきたが、父は、
「もう少ししたら婆さんの仕事場に電話するから落ち着きなよ」

と諭したが、祖父はもういい!と一人で家を飛び出して行きました。

尋常じゃない祖父の様子が気になってはいましたが、母は朝食を作り出し自分は試合の準備を、父は仕事の準備をし終わった後に祖母の職場に電話しました。

「朝早くにすいません。○○ですが、うちの婆さん出勤してますよね?」

「あっ○○さんですか?丁度連絡しようと思ってたんですよ。××(祖母)さんまだ来てなくて。今まで遅刻欠勤なかったから心配してたんですが。」

「来てないですか?!わかりました。。時間通り出てるはずなんですが、、もし出勤したら連絡するように伝えてもらえますか?!」

このやりとりが終わって本当にすぐ祖父が帰ってきて、

「どうだ?!仕事に行ってないだろ!!だから言ったんだ!何かあったんだ!もう一度探してくる!」

で、出ていこうとする祖父を止めて連絡が入るのを待とうと自分が説得してると、それも本当に丁度、家の電話が鳴りました。

「○○さんのお宅ですか?私、△△病院救急の者ですが××さんはご家族で間違いないでしょうか?落ち着いて聞いて欲しいのですが、一時間程前に交通事故にあわれ、こちらに搬送されています。まだ息のある状態です。至急こちらにお越し下さい」

この知らせを父が聞きパニック状態になってしまい、病院へは母と自分、祖父と行こうとしましたが、祖父は、

「もう遅い、、、挨拶も出来んかったなぁ、、、」

といい、病院へは行かないといいます。

「まだ息があるって言ったじゃないか!早く一緒に行こうよ!」

と言いましたが、

「だから、朝嫌な予感がしたんだ。もうだめだよ。今、行ってしまったんだよ」

続く