[管狐]
前頁
私が彼女を抱き起こすと、彼女は浅い寝息を立てていた。
わけのわからない私は、彼女の携帯から、近くにある彼女の実家へと電話した。
私「○○のお母さんですか?私□□です。」
母「あ、□□ちゃん?どうしたの○○の携帯から」
私「私もわからないんですが、○○ちゃんが変なんです。すぐ来てください」
彼女の母はすぐ行くと言って電話を切った。
その時、
何かが目の前の壁を這っていくような気配を感じた。
遅れて音が聞こえた。
カリカリ、カリカリ。
音は、目の前の壁を横に移動して、開けたドアの方へと向かっていくようだった。
少しずつ音が遠のき、やがて聞こえなくなった。
私は、彼女の母が来るまでの数10分間の間、金縛りにあったかのように動けなかった。
大学が夏休みに入り、彼女はマンションを引き払い実家で暮らすようになった。
あれからも度々彼女の家を訪れ彼女と会うが、彼女は以前生気を失った顔のままいつも俯いている。
4日前、珍しく彼女の祖母が家に泊まっていたので、彼女について聞いてみた。
祖母「管狐にやられたのかもしれんね」
そう言って祖母は家の奥から一つの小さい筒を取ってきた。
祖母「これが狐を入れておく管でね、これを大事に置いておかないと狐様に祟られるんでね」
聞くと、祖母の家は代々管狐を扱う家なんだそうで、彼女も例外ではなかったそうだ。
彼女はマンションに筒を一つ持っていったが、無くしてしまって狐に憑かれたのではないか、と祖母は言う。
狐憑きになってしまった彼女が一体これからどうなってしまうのか、私にはわからない。
長文失礼。