[白い女の顔]
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右隣の友達が、ぶぅっ、と屁をこいた。

へ?と思ったら巨大な顔は瞬きする度、強い光を見た後に残るカラフルな残像
のようにあやふやに拡散していき、すぐに形が解らなくなって、そのまま消え
てしまった。
耳鳴りも消え、途端に救われたというか、全身の力が抜け、助かった!という
気持ちに包まれた。
屁をこいた友達の方を見たら、こちらに背を向け寝息を立てている。
横になったまま部屋を見回したが特に変わった様子はなく、鼓動はバクバクい
ってたけど嫌な気配も感じなかった。
「なんだったんだ、なんだったんだ」と頭で繰り返してる内にどっと疲れに襲
われ、時計をみたら三時を過ぎていたのを覚えているが、その後は二人を起こ
すことなく、冷や汗も乾ききらないうちに寝むってしまったらしい。

よく朝「はぁ?」っといった感じの友達に、夜中の出来事を話し
深く礼を言っておいた。
自分の屁で助かったとか訳解らんみたいだったけど、そいつはそ
の日から己の屁に謎の自信を持ち、出す時には両腕を頭の後ろで
組み、尻を突き出すなどのポーズを決めるようになった。
私も「ぃよっ!ヘコキング!」などと合の手を入れ、今でも仲良
くやってます。


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