[工事現場]
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あの事故からちょうど1週間が過ぎ、いよいよ夏休みも終わろうとしていた。
事故の最期に見たこと、聞いたことは、初めて目にする生々しい光景による
一種の幻覚、もしくは白日夢か何かだろうと無理やり自分を納得させていた。

その夜、ラジオを聞きつつたまった宿題をこなしていた。時間は深夜2時。
さすがに眠気が強くなってきたので、そろそろ寝ようかと思ったその時
突然ラジオからノイズ音が聞こえてきた。さっきまでちゃんとチューニングできたのに
AM・FMのどの局も入らなくなってしまった。故障かな?と思いつつカセットに
切り替えると、こちらは異常なく音が出るのでお気に入りのテープを入れタイマーにして
ベッドに入った。

5分もしないうちに、尿意があるような気がしてきた。
こうなると気になって眠れないので、トイレに行きまたベッドに入った。

ラジカセからは、聞き覚えのあるDJがリスナーのはがきを読んで爆笑しているのが
聞こえる。私は夢うつつの中で、このDJ面白いんだよな、と思っていた。

DJ、DJ、・・・!?
私は寝る前にカセットにした、はずである。何故ラジオになっている!?

ビックリし飛び起きようとした瞬間、体が全く動かない。
金縛りである。私は自分の心臓の音が妙にうるさいのを感じながら
目玉だけを動かして室内を見回した。

すると、自分の足元にソレが居た。
全身青白く透けそうな感じで、頼りない感じでそこにソレはたっていた。

すると、先ほどまでDJの笑い声が聞こえていたラジカセからノイズ音が
聞こえ、そのノイズに混ざって

『お・い・・ぼ・・う・ず・・・な・ぜ・・だ・まっ・・て・た・の・・だ・・』

と切れ切れに聞こえてきたのである。
私は心の中で、『ゴメンナサイ、ゴメンナサイ』と繰り返していると
ソレは私の足元からベッドに上がってきた。
心臓が壊れるくらいの動機に襲われながらも必死に謝りつづける。
やがてソレが私の腹の上に乗り、顔を覗き込むようにしている気配が伝わってきた。
あまりの恐怖に目も開けられない。しかし、ソレは私の顔に顔を近づけ動こうとしない。
続く