[妙な写真]
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それから1週間、何か起きたか、っていえば何にもなかったんだけど、その嫌な感じというのが段々強くなっていると感じてました。
最初は見られてる感じがする、とかいう第6感みたいなもんでしたが、廊下をするような足音がついてきたり、部屋にいるときに部屋の扉の前に
何かが来た、という感じがしたり(確かに足音が部屋の前で止まる感じ)まぁとにかく自分が家にいる間はずっと誰かに見張られているような、
そんな感じがしてたんです。

そんな感じで2週間ぐらい過ぎたある日、自分の人生最大の恐怖が襲います。
その日も残業で夜遅くに家に帰ってきたんですが、風呂入って飯食って、さて歯を磨いて寝ようかな、と洗面台に行きました。
洗面台の前で歯を磨いているとき、鏡に映る自分の顔を見ながら歯を磨くわけですが、その時自分の後ろの影がなんか濃いような感じがしたんです。
洗面台の照明が自分に当たると、自分の後ろの影がどれぐらいの濃さなのかは解るんですが、それがいつもと違って濃いのです。
一気に酔いが覚めました、マジで。

自分のすぐ背後に誰かがいるのです。背は自分の肩ぐらいしかないような気がします。
鼻息みたいなのが俺の背中に当たりました。とにかくそれが人じゃないのはわかりました。
俺と壁の間は人が一人入れるスペースしかないはずなので、俺と触れてないってことは、ソレが薄っぺらの人じゃないかぎりは
壁にめり込んでるか、いわゆる幽霊ってことしか考えられない。俺の左腕のあたりから、ソレの長い黒い髪が見えました。

俺が逃げようとすれば、鏡に反射したソレの顔が見れてしまうわけで、とにかく顔を見ないようにしなければって本能が働きました。
見てしまったらその場でショック死するか、一生恐怖に震えながらすごさなければならないって瞬時に思ったからです。
俺は目をつむって自分の部屋にダッシュで戻りました。部屋の扉を閉めて布団に潜ってずっと震えてました。

そしたら扉に顔を擦っているような音が聞こえたんです。ソレが息をして、その息が扉に当たっているのが窺える音がしました。
俺は生まれて初めて失神ってのを体験しました。気が付いたら朝でした。

続く