[いとこからの電話]

高校時代の友人Y君の体験談です。

 ある朝僕がいつもどおり学校に行くと、いつも元気者のYが真っ青な顔をしているのに気付き、
どうしたのか聞いてみた。「何でもない。」と返事はするものの、何かに怯えている様子だった。
まあ、こちらも無理に聞き出すつもりは無かったし、「そうか」とだけ言っておいた。

昼休み。

朝と変わらず怯えた様子のYが話し掛けてきた。
内容は「ちょっと相談に乗って欲しい」との事だった。
弁当でも食いながら聞いてやるつもりだったが、話の内容はそんな他愛無い内容では
なかったのでした。

前の晩の話。
部活で(Yは漕艇部 ボートでタイムを競うやつです)疲れていたYは、
両親が出掛けている事もあり、夕食後早々に自室の布団で寝てしまったそうだ。

そこで夢を見た。場面は自宅の居間。
Yはソファーで一人TVを見ていたのだが、そこに一本の電話。
出てみるとYと相手は同い年の従兄弟だったそうだ。

が。

その従兄弟の話す内容、また声の感じも幼稚園児と話しているような幼さで、
Yは少々違和感があったようなのだが、久しぶりな事もあり「一緒に遊びたい」とか
「今度どこかに行こう」といった話をしていたそうだ。

五分ほど話したところで、Yにある疑問が浮かんできた。
「この従兄弟、死んでなかったっけ?」

続く