[鬼とのチャンネル]
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で、顔面真っ白になったオッサンがこう言った
「2ヶ月も鬼につかれたのに、6年もの間、
一度も思い出さなかったことを不思議に思わないのか?
そして6年も忘れていたものを今になって急に思い出したことに
疑問を感じないのか?」

言われて初めて気付いた
何で俺はあんな死にたくなることを綺麗さっぱり忘れていたのか
何で忘れたままでいたものをいきなり思い出したのか
原因は1つしかない

あの火事だ

最初に行ったオッサンの家の周りに、
何軒かオッサンがお祓いした家がある
他の人は知らないけど、オッサンは大抵が札を使った祓いをする
オッサンが祓った家の中に、あの当時に使った札があったら・・・

そしてその家が偶然にも火事に遭ったのなら・・・

そこで全てが繋がった

オッサン曰く、俺は普通の人とは完全にチャンネルが違うらしい
言い換えれば、きちんとした修行を受けた霊能者と同等だ
霊感の強いやつは何もしなくてもナニカが寄ってくるらしい

つまり、偶々燃やされたあの「鬼」が俺につくことが
完全に「無い」わけじゃない

「鬼が見えた人間は、鬼とのチャンネルが近くなる。
要するに、自分が鬼を見なくとも、鬼が自分とのチャンネルが近いやつに吸い寄せられる」

この言葉を聞いて、意識がなくなった

起きたら、オッサンの家のベッドにいた
すげえいいマット使ってやがった

「こんな事、霊能者として言いたくはないが、
お前に鬼がつくことはほぼ確実だろう。
俺は鬼をみたことがないからな。
つくとなれば、お前に間違いない」
もう一度倒れそうだったけど、オッサンがお守りを渡してきた

「この封(お守りのことらしい)は俺が持ってる中で最高のものだ。
日中は肌身離さず、寝てる間は北東の壁に掛けろ。
もしかしたら鬼も帰ってくれるかも知れない」
とか言って俺にくれた
それだけが救いだった

何かあればすぐに連絡することを言って、家に帰った
あれ以来、オッサンの言われたとおりにしてるんだけど、
昨日あたりから変なものが見えるようになった
ジジイが死んでから全く見なかったのに
何かまた鬼が来そうな気もするぜ


以上、オチなし&長文すまん
120%実話だ


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