[小学生の集団]
3年前の夏の出来事。 
大学が夏休みに入り、何となく暇だったので、入学してすぐに仲良くなった 
仲間2人(SとY)と一緒に、Sの親戚がやっている某山陰地方の県の民宿に 
2泊の予定で旅行に行く事にした。 
町につき、何気に日の落ちかけた外を車窓から眺めていると、妙に古臭い格好(昭和初期?) 
をした小学生くらいの集団が、テトラポットの辺りに集まっているのが見えた。 
俺は「まあ田舎だしあんな格好も不思議じゃ無いのかな?」と思い、その時は特に気にせず 
にいた。それに運転していたSも助手席のYも特にそれに気付いていなかったようなので、 
話題にすることもなかった。 
宿に着き、感じの良さそうなSの親戚のおじさんとおばさん夫婦にも歓迎され、Sの友達と言う 
事もあり海の幸満載の豪勢な飯を食っていると、Yが唐突に「なあ、さっき海沿い走っていたときさ、 
小学生くらいの集団いただろ?あれ何か気味悪くなかった?」と話を切り出した。 
Sは見ていなかったらしく「何それ?」と興味深々、俺は見かけたは見かけたけど、特に不審に 
は見えなかったので、「見たけど別に変ではなかったぞ?」と返した。 
するとYは、「お前気付かなかったのか?あの子供達全員道路の方向いていたけど、 
顔見なかったのか?」と問い詰めてきた。 
俺は内心「あーこいつ暇だから肝試しでもしたいのか?w」と思い、話半分に聞き流し、 
俺は視力悪いし、ほんの数秒の事だったので特に注意してみたわけじゃないから、と 
返すと。Y曰く「あいつら全員無表情で道の反対側の山をじっと見つめていたんだよ、 
子供なら、普通はふざけたり騒いだりしてさ、大人が引率でもしているなら解るが、 
子供だけで普通はあんなに整然としてないだろ、だから気味悪かったんだが…」 
と語り出した。 
俺はどうせネタだろうと思っていたわけだが、飯食い終わって部屋に戻ってもその話を 
Yがしきりにするし、Sもこの辺りはあまり来た事無いらしく地理に詳しくなく、興味津々で話を 
聞いているので、あまりのり気ではなかったけど、2人の提案によりその場所へもう 
一度行ってみる事になった。