[心在らず]

俺の幼なじみから直接聞いた話しなんだけど。
そいつが言うには 世の中には生きながらに死んだような人間が居ると言う事だった。
俺とAは(幼なじみをAとする。)小さい頃から同じアパートで育ち兄弟のように仲がよかった。
Aが言うには その2人が住んで居たアパートの地下には物置みたいな部屋があって そこにはホームレスの女の人が住んでたらしいんだ。
俺も確かに地下に部屋があったのは覚えていた。
Aは続けて話した。
お前がその人を覚えてナイのも無理はナイ。
普通はそういう人は記憶の中に残らないんだよ。
Aが言うには その人は他人の不幸を喜ぶ魂のナイような人何だと。
そして続けて俺に言った。
俺とお前は確かにその人と話した事があるんだよと。
俺にはどうしても思い出せ無かった。
そしてAに疑問を投げかけた。
なぜAは覚えてるんだと。
そしたらAは静かに話しだした。
Aは1人で散歩をしていたら 前からきた女の人に腕をグッと掴まれて AだろAだろと ニタニタしながら話しかけられ お前の事覚えてるよと言われたんだと。
その瞬間にAは すべてを思い出したと言っていた。
その話しをした後 静かにAはこう言った。

もう俺ダメなんだと。

その一年後 Aは眠るように自分の部屋で死んでるところをお父さんに発見された。


Aは俺に言っていたんだ。
その女の人に会う前から。
もう生きてく気力も希望もナイと。
だから 見えないものが見えてくるって。
その時 確かに目の前に居るはずのAは心ここにあらずで 不思議な感じだった。
三人で話してたんだが もう一人は俺とAの話しが飛び飛びで話してるように聞こえ 何を話してるか解らなかったと後に言っていた。
2人の中では確かに会話は成立してたんだが。
この話しの他にも沢山の話をこの時していた。
一時間では話せないくらいの話しを一時間ぐらいでしていた。
全部を話し終えた時 漠然とした中 Aはもう死んでるんだなって俺は思った。
確かにあの瞬間 時間とか空間を超越してる何かが2人の間にはあった。
以上 俺が体験したホントの話し。


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