[こけし]

昔、ある村にに若い夫婦がおりました。
寒い冬になると外には出られず、家の中で蓄えてある食料に頼りながら細々と生活しておりました。
仕事もなく、男は女を抱きそして子ができる。
食がなくなり、子ばかり増える。
いらない子達は男の手で殺されました。男は気が狂い、血の付いた斧を振り回しながら帰ってきました。
それから何日か男は部屋にこもって出てきませんでした。
部屋の中からは木を削る音が不気味に聞こえてくるだけでした。
若い妻は怖くて戸を開ける事ができませんでした。
ある日の夜。戸が開き、男は妻を起こしました。
返り血をあびたままの顔でにやにや笑っていました。その形相に妻は恐怖を感じました。
男の右手にはあの子にそっくりな人形。
俺は殺してない…ははははっ
悲しそうに笑ったその人形は子消し


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