[別荘の怪]
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ヤバイ!早く逃げなきゃ。背筋がゾクゾクした。でも後ろを振り向くのも怖い!(俺の頭の中はホラー映画のワンシーンを想像していました)
その場で固まっていると、音がピタリと止みました。(寝室の扉は旅館にあるような木製タイプ)
もぅ扉に目が釘づけです。助けを呼ぼうにも喉がカラカラで声が出ない。
はっ!やっと気がつきました。怖くて振り返れないなら後ずさりすればいいじゃん!
一歩…二歩…足は動いてくれました。よし!このままリビングまで逃げれば何とかなるぞ!
すると扉が少し開いたように見えました。気のせいだ!自分に言いきかせ三歩目の後ずさりをしようとした時
スーと扉が開いていくのがわかりました。(正直チビリました)気のせいじゃない!
振り向くのが怖いなんて状況じゃないじゃん俺!そこでまた、はっ!気がつきました。
目瞑って走って逃げりゃいいじゃん!なんでこんな簡単なこと気がつかなかったんだ…
扉は半分近く開いていました。目を瞑り方向転換しようとした時チラッと黒い影が見えた気がしました。
「うわあああぁぁぁ」出ないと思っていた声が廊下に響き渡り叫びながら俺はリビング方向へダッシュ!
「バタンッ」音と共に衝撃が!
「あらあら、どうしたの?」ばあちゃんの声がしました。
俺は目を開けると自分の状況を理解しました。リビングと廊下の間には三段程の階段があり俺は真っ直ぐ走って来れたものの、
見事に階段に足を取られズッコケていたのです。
「鼻血が出てる!」ばあちゃんが俺の顔を見てビックリして言いました。
ティッシュを取りに行こうとするばあちゃんに俺は泣きながら抱きついてました。
ばあちゃんのエプロンで鼻血を拭いてもらいながら説明したけど
「気のせいだよ。怖いと思うから幻覚を見たんだよ。怖がりなのにホラー映画は好きだからねぇ」
と、ばあちゃんは信じてくれませんでした。

それまで別荘Aには何度か行ったことはあったんだけど、いつもばあちゃんについてまわってたからか怖い体験はしたことなかった。
ちなみにその後ばあちゃんが寝室の掃除に行くと何故かあの部屋だけ扉が開いていたそうです。
俺は怖くてダッシュでばあちゃんちに戻りました。あれから別荘Aには行ってません。
零感のハズだからばあちゃんの言う通り幻覚だったのかもしれないけどあんな怖い体験は初めてでした。
中1の時に祖父母は管理人の仕事を辞めたのであの土地に行くことも無くなりました。

ばあちゃんは方言がきついので標準語?で書きました。長文失礼しました。


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