[狐憑き]

そんなに怖くは無いんですが、狐に憑かれたかもしれない。

何年も前の事なんだけど、私が小さい頃に母方の実家に行った時、
親戚の中で霊感が強いとか言う叔父さんがいて、
叔父さんは私のことをみるなり、母に
「あの子は突然人が変わった様に性格がおかしくなる事があるだろ」って言い出した。
私はそうは思わないんだけど、母が言うには当っているらしい。
伯父が言うには、私は狐にとても憑かれやすいらしくて。
その日の晩に祓いの真似事みたいな事をされました。(真似事なのか本物なのかは分からないけど)

それから毎年盆とかに実家に帰るたびにそれをされていたんだけど。
二年くらい前に、その伯父さんが急逝してからしなくなりました。

ここから最近の話になるんだけど、
何ヶ月か前からか、金縛りによく合う。
金縛りにあうときは、決まって自分の周りに何かいる気配がある。
始めにはっきりと分かったのは、夜中にふと目が覚めて、身体を起こそうとしたんだけど、
まったく動くことが出来なくて、目も余り開けられなくて、何かがバタバタと自分の周りを廻ってた。
他には、横向きに寝ていたとき、自分の後ろで激しくバタバタ音がして、
何かが自分に近付いたり離れたりを繰り返してた。
金縛りが終わると、何事も無かったかのように起き上がれるんだけど、
いつも凄い汗で気持ち悪かった。

そして少し前に、また金縛りにあいました、その日は何も物音は無かったんだけど。
不安と怖さがあって、強く睨まれているような視線を感じた。
誰でもいいから助けてって、思っていると、布団から出ていた左手を誰かがそっと握ってくれて、
ああ、お母さんかなって凄く安心した。
だけど、少し経ってから私は自分の部屋に一人でいることを思い出して、
じゃあこの手は誰だろう?と・・・その瞬間に全身の血が引いて、その手の感触が怖くてしかたがなかった。
数分くらいで金縛りが解けて、それと同時に手の感触も無くなりました。
時計を見るとまだ夜中の二時過ぎだったけど、とても眠る気にはなれなくて。
テレビをつけて朝まで起きてようと思ったんです。
でも、気付いたら寝てました。
余り覚えてないけど、何かの夢にうなされて起きたときには朝の七時を回ってました。
全部は思い出せないけど、夢にはこっちを睨む女の人が出てきた気がします。
その睨む目だけが強く頭の中に残っています。

少し前といいましたが、本当は今朝のことです。
物音や視線を感じたことは何度かありましたが、触られたのは今回が初めてです。
私はポジティブな性格なので、かなり怖いことがあっても、死ぬわけじゃないと気にしないでいたんですが
流石に今回は嫌な気がしてます


次の話

Part164menu
top