[猫を使った儀式]
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何事かと思い自動販売機から覗いてみると、10人近い男がごちゃごちゃ話している。
儀式をしないといけないとか、犯人を捕まえる意外に方法がないとか。
多分地域の住人だと思う。田舎のじじいを連想させるようなランニングとモモヒキの
おっちゃんもいた。

嫌なことに僕が借りたレンタカーを入念にチェックしている
「血がついとらん」
「あほ、血なんぞ出とらんわ!」
「凹みもないようだぞ?」
「この車じゃないのかも知れん」
もう僕は怖くなって怖くなって仕方がなかった。
ここで出て行ってあらぬ疑いを掛けられるのは嫌だ
しかし出て行かなくて見つけられたら多分お終いだろうと思った。
結局僕は出て行くことにした。

僕「すいませーん、なんか車にありましたか?僕が借りたレンタカーなんですが?」

すると一人の男が前に出てこう言う。
「あんた猫轢いたか?というか何してんだ、こんなとこで」

僕は事実轢いてないので「いいえ。迷って地図を確認してただけですよ、
自動販売機の裏のベンチで」と答えて笑顔を作る。
すると他の男が言う。
「こいつは他所もんだし関係ない、もしこいつでも仕方のないこっちゃ」
他の男が言う
「そうだな…」
なにやら不穏な空気を感じつつ空港に方面へ出る道を聞いた
「この辺りは入り組んでたり直線というわけにはいかんからそっちの大通りいけ」
結局この場は逃げられるようである。」

そして最後に他のじじい(多分一番年上)が寄ってくる。
「なんも聞いてないな?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
「な?」
……………… …… …

何度同じ一文字を聞き続けただろう。
返事をしようとしても制され、同じその一文字を繰り返す。
そして無言になったかと思えば「全員が無言でこっちをじっとみつめている」
目が冷たい。
初めて心の底からそう思った。
不気味に笑顔になっている人もいた。当然目は笑っていない。

僕は仕方なく
「はい…。」
と返事をしてその場を立ち去った。

あの土地で猫がどういう存在なのか、
また差別的に言うとその部落ではどういう儀式があったのか
色々果てぬ疑問は残りつつも今に至る。
誰か詳しい人がいたら教えて下さい。
怖くないかも知れませんが、僕にとっては本当に恐怖体験でした。


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