[シャム双生児]
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ジェイは、叫びました。 「お前は、プロイ?」
眼鏡をしたピムは笑っていました。 
「あなたが、今まで、愛してるって抱いたのは、プロイよ。」
「あなたは、ピムが好きだった、いつも、ピムを見ていた、書く絵はピムだけで、
私のところは空白だった。」
「ピムはあなたが好きだと私に言って、だから切断して欲しい、自由にジェイと
会わせて欲しいと頼んだのよ。」
「私は、死ぬまで一緒だよって約束したから、ダメと言ったのよ。
だって、私もジェイのことが好きだったから。」
「ピムと離れると、ジェイはピムのものになると思ったから、
絶対に、離れるのはいやだと」
「でも、母は、そんなピムの気持ちを察して、私を眠らせて、切断手術を
させたのよ、気がついたら、私は一人だけ、ピムは違うベッドで寝ていたわ。」
「そこで、私はピムを殺したのよ、それで、母に言ったのよ、
『死んだのは、プロイよ、事故で死んだのよ。
私はピムよ、これからピムとして生きていって、ジェイと一緒になるの。』」
「母はそれを受け入れたわ、プロイのお葬式を一緒に出したの。
その後は、あなたもよく知ってるわね。 ずっと一緒だもの。」

「あなたは、いつもの『ピム、愛してる。』って言いながら、
私を抱いたのよ、私の中に入って、果てたのよ。」
「でも、あなたが抱いたのは、プロイよ、あなたがいつも無視していた
プロイなのよ、そして、私の中には、あなたの子供までできてるのよ。」
「でも、バンコクで母に会うと、『プロイ、お前の横に、ピムがいる。』
って言うのよ。 メイドも、それをわかったみたい。」
「あまりに、私をプロイと呼ぼうとするので、母も殺したわ。
チューブを抜くだけで、簡単だったわ。」

「でも、これで終わりよ。」
「だって、ピムが約束どおり『死ぬまで一緒だよ』って横にいるんだから」

続く