[ヤドリギ]
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「問題は、今おまえの周りをうろうろしてるやつだ。
 これからお前の周りで変なうわさが流れ始めたり、体調を崩すやつが続出したり、もしかしたらダイレクトに「そいつ」を見てしまうやつがでてくるだろう。」
「そいつは待ってるんだ、まずお前の周りを弱らせ、おまえが人間関係に疲れ仕事に疲れて弱るのをまってるんだ。
 計算高くてたちが悪い、お前に恨みがあるんじゃないと思う、なんで他のやつみたいに離れていかないのかも分からない。
 何が目的かも分からない、ただお前が呼んじまったんだ。」
むっさんが自分のすこし後ろをにらみつけてるような気がして、思わず振り返ったけれど、自分には何も見えなかった。
「もしかして電話くれたりメールくれてたのって・・・。」
「ああ、なんか胸騒ぎしたり、夢にお前が出てくるようになって心配だったからな。まさか俺が心配しすぎてバイト君にまで伝わってるとは思わなかったけどな。」
むっさんがバイト君を見て笑ったけれど、バイト君は眉をひそめて黙り込むばかり。
「俺が助けになるなら力になる、しばらくうちに通え。」
むっさんはそう言った。

後のオチはお約束どおりだ。
むっさんは自殺した。
むっさんの相方はネタが書けなくなって悩んでいたといっていたが、そんなことで自殺するような人じゃないのはむっさんを知る誰もが知っていた。

バイト君は重度の鬱でバイトをやめた。
一度バイト君の実家に電話をしたが、バイト君のお母さんがでて「あなたのせいで!」と訳のわからないことをわめいていた。

同僚の女の子がおかしな音がすると言い出した。
警備会社が変わった。
主任が事故にあった。
同僚が転勤を申し出た。

「社員旅行の写真におかしなものが写っている」

そんなうわさが流れ始めた。
なぜかだれもその写真を自分には見せてくれない。

去年の年末、上司にしばらく休むように言われた。
特に大きなミスをした覚えもない。
食い下がったがとりあってもらえず、今休職中でネットやってます。

今も自分の後ろで何かが言ったりきたりしてるのか、それとも自分の背中に張り付いたままのやつがいるのか、自分にはわかりません。
全然怖くなかったな、長文駄文すんませんでした。
つきあってくれてありがとう。


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