[記憶喪失の女の子]
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おはよう
山に行きたくなったので山に行きます
良かったら来てください
待ってます

私は何も考えられずただ山に向かうために進んでいきました。
山に着いた時にはもう日が暮れていました。
もう暗いのに山にいるのかな…。
ずっと山にいるのかな…。
私は近くの宿に行き女の子が近くを歩いていなかったなど聞きましたが
そのような女の子は見てないようでした。
真っ暗な山道。先が見えない山道。何が起こるかわからない山道。
私は足を進められず彼女には悪いと思いながらその日は宿に泊まりました。

朝起きると不思議な顔をした女将さんが何かを持ってきました。
切手が貼られていて私の部屋の番号が書かれていた封筒でした。
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山に来てよ
お願い
待ってるよ

名前は書かれていませんでしたが誰が書いたものか分かりました。

私は山に向かいました。
太陽が昇っているのに山は薄暗かったです。
私は小屋まで進みました。
小屋の中には手紙がありました。
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来てくれてありがとう
もう私いなくなっちゃたんだ
ずっと一緒にいられなくてごめんね

私は意味が分からず立っていると後ろから何か堅いもので頭を殴られました。
私は倒れ、後ろを見ました。
「は?なんで…?」
彼女が木の棒を持って立っていました。
「私全部思い出したんだー。
教えてあげる。特別だよ?」
以前の彼女なのか声も顔も別人のようでした。
大人っぽい声だったのに子供のような声でした。
「まずある人を追いかけてたことから教えるねぇ。
私その人に振られたんだー。でね、私殺しちゃったんだ。
そいつ私に脅えながら何回もあやまって逃げ回ったんだよ?
バカだよねー、逃げられるわけないのにね。」
私は何とか立ち上がろうとしましたが彼女に簡単に倒されました。

「まだお話終わってないよ。
私家族が嫌いだったんだー。妹がいてさぁ、おとうもおかあも妹のことばっかり
可愛がるんだもん。つまんないでしょ?
だからこの小屋で殺しちゃった。
簡単に死んじゃったよー。
あの男みたいにもっと逃げ回ってくれたらおもしろかったんだけどね。
さ、お話終わり。君は頑張ってくれるよね?」
そういいながら彼女は棒を高く上げ私に向かって振ってきました。
私は手でそれを受け彼女を突き飛ばし、山の中に逃げました。
山を降りよう。早く。降りれば助かる…。
私は無我夢中で走りました。
もうすぐだ。私はそう思いながら後ろを見ました。
後ろには彼女の姿はありませんでした。

彼女が何故か前にいました。私は急いで静止しました。
「この山の道には詳しいんだ。お疲れさん」
私は頭を殴られ倒れました。
倒れてから彼女は何度も何度も私を殴りました。
気づいたら時のは病院の中にいました。
山の中で倒れていたそうです。
彼女の姿はなかったみたいでした。

数ヶ月がたち退院し以前の彼女がいない日々に戻っていきました。
彼女はあの日から私の前には現れませんでした。
彼女は今記憶を失っていて何処かの病院にいるのだろうか。
それとも罪を償おうとしているのか。
それともあの山をまださまよっているのだろうか。
私は彼女の私物を片付けながらいろんなことを思っていました。
何故か涙が止まりませんでした。

終わり


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