[嗤う人々]
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ここでKの話にもどる
ある日Kが裏S区の友人(G君とします。彼とは一度も話した事はありません)宅に初めて泊まりに行った時の話。
KはS区出身と書いたが、本当は小学生の時に引っ越してきた。それまでは福岡県の都会に居たらしく
ここに来たときにかなりの田舎だと思ったそうだ。俺からしたらS区は田舎でも都会でもない所謂普通の
町だったけど、Kからしたら田舎らしい。別に畑や田圃が広がってるわけでもないし、コンビニまで歩いて
30分なんて場所も皆無な場所(むしろコンビニは多いと思う)。まぁ、そんなKだから高校に入って
裏S区の知り合いが出来て遊ぶ範囲が広がっていき裏S区の奴の家に泊まりに行くことになって初めて
裏Sを見ることになる。初めて向かう際に足に使ったのがバスだったが、そのバスを待つ時間が40分に1本
ぐらいの割合(高校の放課後の時間帯でそれ、朝や夕方5時以降から7時までは20分に1本。それ以降は1時間に
1本とかそんな感じ)しかも隣町の都会に電車で出るよりも時間がかかる。それだけでもかなりショック
だったらしくグダグダ文句を言ってたんだそうだ。ただ、値段がかなり安い為(もし隣町の都会にバスで
いくと300円以上かかるが、それ以上時間がかかるのにも関わらず160円ぐらい)裏Sの出身者はそのバスを
結構用いてる為、Kがグダグダ文句を言ってる時に前に座ってたおばさんがまず咳払いをし始めてそれ
を合図かのようにその周りの2,3人がちらちらKを見てたそうだ(被害妄想っぽいけど。。)

その後裏Sの田畑が広がるだだっ広い場所に出ていきポツンポツンと家が見えてきたところで、Kはバスを降りた。
バスの通り道はそのまま住民の主要道路となっておりそこしか大きな道はない。その為辺鄙を通り越したような感覚になる。
その時にすごく嫌な匂いがして顔をしかめてるとGが、どうした?と聞いてきた。
(めんどくさいので「・・・らしい」とか「・・・だそうだ」を多少省きKの話とします)
以下会話

K「この匂いなん?めちゃめちゃくせーよ」、
G「なんの匂いよ?ちゅうかお前人の家の近くに来てめちゃめちゃ失礼やのぉ」
K「いや、なんやろ。なんか匂うやろ?わからんの?」
G「あ〜、お前これ家畜の臭いやろ。牛とか豚とか飼っとるけん、そのにおいよ。気にすんな。あ、それと
  お前、さっきいらん事文句いうなや、後で俺が言われるやろうが。」
K「いらんことって?ちゅうか遠いもんは遠いやろ。しかも怒られるって。あんなおばさんとか無視しとけや。
 しかも全然知らんおばさんやし」
G「いや、お前が知らんだけやけね。俺とかは結構見かけたりするし、
  うちのオカンとかと知り合いかも知れんやろうが。」
K「まぁまぁ、俺は関係ないけいいけん、しかも俺が言ったんやけお前が気にすんな。俺が怒られるだけよ」
G「あー、それと、お前うちに来たときに変なこと言うなよ。匂うとか臭いとか。おとんにぶん殴られるぞ」
K「言わんよ。さすがに」
G「いや、まじめに聞けって。うちのおとんメチャメチャ怖いけん絶対怒らせんなよ」

ここまで来てさっきまでのGの不真面目さが消えててGの父親の怖さを凄く強調するのでKはかなり緊張してきた。
その後Gの家に向かうことになったけど、バス停からさらに10分近くあるいてやっとつく。
さすがに文句言おうかと思ったけど、家の前に来たことでGの両親に聞かれたら困るしと思い何もいわなかったそうだ。
ただ、この時点でKはもう帰りかったらしい。理由は、3つ
1、臭いがひどすぎる。
家畜の臭いは今まで嗅いだ事の無いぐらいの臭いだそうでトイレの臭い匂いみたいな感じ
2、家が凄い怖い。
木造の平屋の様な家で、日本家屋的なものらしいけど、家の色が「黒」。別に真っ黒って意味ではないけど
黒っぽい感じ。(これはAの家もそうだったけど、ただ薄暗い。都会育ちの奴には明るいのが
当たり前だったからとかそんな感じではく、木目調の色合いがなんか黒い感じのもののみでって感じ)
3、お札びっしり。
家の玄関の扉をあけたら靴を脱ぐ前の壁にお札びっしり。(Aの家でも同じ感じだったが葬式だったから
と思ってたがGの家は不明)

続く