[裏S区]
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起きた時に、俺は家の自分の部屋ではなくてリビングの隣の両親の寝室で寝かされてた。
時間を見たら20時。リビングからの明かりが漏れてて両親が誰かと話しをしてた。
俺が起き上がり、寝室のドアを開けてその人物を見たときにすぐに飛び掛った。
AのおじさんとAの叔母に当たる人がそこに座って両親と話てたから、それを見た瞬間に
もう、飛び掛ってた。直ぐに親父に抑えられてたけど俺は吼えてたと思う。
Aのおじさんは「ごめん、本当に悪かったね」を繰り返してたけど、どうしても許せなくて
親父の腕の中でもがいてた。母親がイキナリ俺の頬をひっぱたいて、「あんたも話しを聞きなさい!」
とか言い出してたけど、俺はもう、親にまで裏切られた感じがして家を飛び出そうとして
親父の手から抜け出し、自分の部屋に向かい上着とサイフをとった。が、上着を羽織ろうとした瞬間に
上着の腕の中に自分以外の手があった感触がして再度叫んだ。
両親とAのおじ、叔母が直ぐに来て、Aの叔母がブツブツ言いながらお経みたいなものを唱え始めだして
おじが俺の服を掴んで踏み始めた。親父は青ざめてそれを見てて、母親は一緒に手を合掌して俺を
見てた。この時は、マジで自分が狂人になったのかと思った。

数分後俺も落ち着いてきて、両親とAのおじ、おばと共にリビングへ向かった。
それまでの短い時間、Aのおじさんはずっと俺に謝ってた。
それからのリビングでの話しは今でも忘れられないしそこで再度起こったことも
忘れられない。以下会話(Aのおじさん=Bさん、Aのおばさん=Cさん とする)

Bさん「本当に、殴ってしまってごめんな。」
俺 「いや、いいです。こちらも苛々してましたのですみません。」
親父「ん?お前なんかしたんか?」
俺 「いや、俺がBさんを殴ってしまった。」
Bさん「あ、いや、それは俺が○君を見ていきなりお経とか唱えたから嫌な気がしたんやろ?
    ○君のせいじゃないわ。俺がいきなりすぎたんがいけんかったやから」
親父「申し訳ございません、それは聞いてなかったので」
俺 「え?なんの話をしよん?俺がBさんを殴ってBさんがいきなり」
  ここまで言って気絶前の事を思い出した。
俺 「あれ??俺気絶する前にナニカ見たわ・・・」
Bさん「うん、そやろな・。俺は○君みて直ぐに気づいてなぁ。何かおるって、それでお経を唱えたんよ」
母 「大丈夫なんですか?何かって何ですか?」
Cさん「えっとね、私らが住んどる地域がなんで裏S区って言われるか知っとる?」
親父「えっと、失礼かもしれませんが、差別的な意味ですよね?」
Bさん「それはそっちだけの認識やな、じいさん、ばあさんによう言われたやろ?裏Sには近寄るなて」
親父「言われましたね。でもそれは部落差別的なもんやと思ってましたけど、違うんですか?」
Bさん「いや、そうや。そうなんやけど、差別があるけ言うても今も言い続けよるんは裏Sの歴史が
    ちと異常なんや。」
親父「いや、私も妻も生まれはS区やからその辺は分かってますけど、部落とか集落系での差別って
   どっこも同じようなものでしょ?だから、異常っていうのはわかります。」
Bさん「はは。そうやろ?そういう風にとらわれてしまってるんやな。裏S区は部落やからって事でも
    他国のモンの集まりでもなく昔からこの地域に住んでたモンの集まりなんや。」
親父「はい。ただ、違いが私にはちょっと・・。」
母 「あれですか?あの鬼門がどうのとかって言う話
Bさん「ん?鬼門の話か。まぁ、そんな感じなんやろうけど、裏Sにうちと同じ苗字が多いやろ?」
母「はい。多いですね、A君とことBさんの家は親戚やから当たり前やけど、それにしても多いですね、
  S区には全然いないのに裏S出身者では結構みかけますしね」
Bさん「あの辺は昔から霊の通り道って言われとんな。ナメ○○○(なんて言ったかは不明)とかそんなの聞いたことないですか?」
親父「いや、名前はしらないですけど、聞いたことはあります」
Bさん「まぁ、その地域はそういう地域でして、うちらの家系はほとんどが霊感があるっていわれてたんですね。
    それが原因で発狂する奴もおれば、いきなり何するかわからんって感じでいつの間にかそういう集落、
    部落になっていき差別されるようになったんですわ。
母 「でもそれやと裏S区はかなり広いからおかしくないですか?Bさんとこの家系だけで裏S区自体が
   そういう風にわかれるますかね?」
Bさん「うん、わかれるんやろうな。最初は3,4の家のもんが発狂し始めてて、でも、それが村中で始まって
    ってなってって最終的に4,50件も起きれば、その周辺全体がおかしいって思われるやろうし
    昭和の時代にそんなアホみたいな話を信心深く聞く人間が少なくなってきてるしな」
親父「それでも、それで部落になるんかなぁ。」
Cさん「まぁ、うちらの家系ではそう教わっとるんです。だから生まれてきた子らには霊が見えるってことを
    前提に接しとる。見えん子もおるやろうけど、霊は居るって教えとるんですよ」
俺 「いや、それと俺が体験しとるのとBさんの話と何が関係するんですか?」

続く